スイス最大の都市であるチューリヒの中央駅から電車で10分。郊外の住宅地の駅前にあるパン屋で、ちょっと懐かしい黒ゴマの乗ったあんパンや、さっくりとしたビスケット地のメロンパンがヒットしている。 店を切り盛りするのは日本人パティシエ・高橋裕則。白地に黒で「HIRO TAKAHASHI」の名を記したシンプルな看板とは好対照に、店の中は宝石箱のようにキラキラとしたカットケーキや、こんがりと焼き上がった食パン、何種類もの菓子パンで、お伽噺の世界のような楽しさが溢れている。(本文敬称略) 本場ヨーロッパで、日本風にこだわる