テマスカル考察シリーズもいよいよ佳境。かつて中央メキシコ一帯を支配し、アステカ神話の世界観を構築したナワ族の末裔たちが、今日どのような様式や観念を引き継いでテマスカルを実践しているのか、前後編にわたって具体的にご紹介します。 もちろん先導師によって内容や解釈が変わる部分も多いので、内容すべての細かな描写はしません。前編(今回)では、いくつかの重要な基本作法に込められた意図(象徴)を解説。そして後編(次回最終回)は、私たち自身の主観的なテマスカル体験記&感想文で、一連の報告記を締めくくりたいと思います! ナワ族がテマスカルに入る「4つの理由」テマスカルは、私たちの現代生活に根付く風呂やサウナのように、リラクゼーション目的で気軽に利用されることがほとんどありません。 かつては日本でも、入浴はもっと神事や仏門修行と結びつく行為でした。フィンランド・サウナの伝統も、土着のアミニズム信仰との関わりに