全国民に識別番号を割り当てることで、行政サービスの品質と効率の向上を目指す「国民ID」制度。7月11日投票の参議院議員選挙の争点に浮上した消費税率引き上げでも、国民ID制度は、その実現のための重要基盤に位置づけられている。低所得者ほど税負担率が高まる“逆進性”を緩和する「給付付き税額控除」を導入するには、所得の正確な把握のために個人識別番号が不可欠だからである。 6月下旬、この国民ID制度の導入に向けた政府文書が相次いで公表された。まず高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部、本部長:菅直人首相)が6月22日に「新たな情報通信技術戦略(新IT戦略)工程表」を公表。続いて6月29日には、内閣官房国家戦略室を事務局とする社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会(会長:菅直人首相)が「中間取りまとめ」を明らかにした。 新IT戦略の工程表によると、国民ID制度に基づく行政サービスの
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