承前*1 理性と暴力―現象学と人間科学 (Phaenomenologica) 作者: 現象学解釈学研究会出版社/メーカー: 世界書院発売日: 1997/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (13件) を見る 浜田寿美男「還元としての子供――「私」というものの発生の手前で」の続き。 「目」について; 人の目はただの眼球ではない。自分自身がみずからの目を通して外の世界に向かっていると同時に、私たちは他者の目の外の何かに向かう主体を感じとってしまう。そこにあるのは単なる物体としての眼球ではなく、主体を生きる目なのである。なぜそうなってしまうのか、その理由を私たちは知らない。ただ他者の目が私自身にとってもう一つの主体として現象するということ自体は、否定しようのない事実である。もちろん、これを物体として見ることができないわけではない。現に眼科医は、患者の目を眼