富士通と野副州旦・前社長との激しい対立が先週末、表面化した。 昨年9月末の「辞任」の取り消しを求めて動いた前社長と、「好ましくない企業グループとつながる人物との付き合いがあった」として、「病気療養」という辞任理由を突如翻した会社側。野副氏は相談役からも解任され、会社から追い立てられた。 日本を代表するIT企業でいったい何が起きたのか──。関係者から漏れてくる話をつなぎ合わせても、高層ビルの密室で起きた解任劇の真相は依然として不透明だ。当事者でない限り価値判断できない情報が多く、事実関係も立場が異なれば解釈が割れる。 野副氏は、社長辞任の取り消しとともに、名誉回復や企業統治が正常に機能したかどうかを調査するよう会社側に求めている。ただ、社内外の関係者の多くは「野副さんが経営陣への返り咲きを狙っていることはなない」との見方を示しており、同氏が要職に復帰する可能性は低いとみられる。 事業の選択や