近代科学の創始者たちに、研究不正の疑いあり(天動説の「再発見と崩壊の始まり」編):研究開発のダークサイド(9)(1/3 ページ) プトレマイオスの「数学集成(アルマゲスト)」を「再発見」することに大きく貢献したレギオモンタヌスは、「再発見」以降に同書を最初に批判した学者でもあった。「数学集成(アルマゲスト)」の欠点に気付いたレギオモンタヌスは、新しい天文学理論の構築に取り掛かる。しかし、レギオモンタヌスが早逝したことにより、その試みは、ついえる。後を引き継いだのが、地動説への一大転換を果たすことになるコペルニクスであった。 ラテン語の「天動説」抄訳本はギリシア語の原典よりも優れていた 本シリーズの前回は、天動説から地動説への一大転換のきっかけとなったのが、天動説の数学的理論体系が15世紀後半に西欧社会で精密な形で紹介されたこと、すなわち天動説の「再発見」にあったことをご紹介した。前回の文章