目の網膜層に映るピンぼけ像を利用して、対象物への正確な距離を測定するハエトリグモの奥行き知覚メカニズムを、大阪市立大の寺北明久教授(50)らの研究グループが発見した。距離測定のセンサーなど、ロボット工学への応用が期待できるという。27日発行の米科学誌サイエンスに発表した。 同グループは、巣を作らず獲物をジャンプして捕らえるハエトリグモの網膜細胞の性質や捕食行動などを解析。ハエトリグモは目の中にピンぼけ像を検出する網膜層があり、ハエなどの対象物が近ければ、レンズを通してこの層で検出されるピンぼけが大きく、遠ければピンぼけが小さい。このピンぼけの大きさに基づいて、距離を測定するメカニズムが分かった。 [時事通信社]