あらためて試合の写真を見直して、敗れた武尊選手の気持ちの入り方に、こみ上げてくるものがありました。いったいどれだけの思いで、この試合に臨んだのか。「K-1の看板」だけではなく、もっと本質的な、人生そのものの重みを背負っているような……。私たちには想像もできないほどの重圧があったのは間違いないでしょう。 今回の『THE MATCH 2022』については、昨年12月24日の発表記者会見から試合まで継続的に撮影してきましたが、天心選手がときに笑顔も見せていた一方で、武尊選手はあえて感情を表に出さないように振る舞っていた印象があります。すべての退路を断って、この試合に賭けていた。ボクシングに転向する天心選手とはある意味で対照的に、「未来のことなんて考えていない」という覚悟を感じました。