たのもーうと言って酒場に入門した。壁一枚を隔てて墓場と隣合わせているようなキレた酒場には通ってきた。ただ年季の入った普通の酒場には行くことはなかった。ホルモンの食べ過ぎで顔がテラテラしていたので老舗の酒場には似つかわしくなかったのである。 食事制限で体重は12キロ減り頬もこけテラテラ感もなくなった。あぶら抜けたというやつである。髪もベリーショートにした。ニット帽をかぶって老舗の酒場に入ってもすっと馴染んでしまう。調子にのっていろんな酒場をいきたおしている。酒を飲んではいけないのが信じられないくらいだ。 はじめての店でも「前にきてくれてましたかな」「あれ、こんな常連さんおったかな」という勘違いも続出中。どの店でも大将が高齢になり、記憶が曖昧になっているのかもしれないし、ぼくの記憶が不確かなのかもしれない。「あんた、前にきとったやろ」と言われれば「そうだったかもしれない」という気もしてくる。
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