懐かしい曲を聴くと、その頃の景色や知人、思い出が蘇ってくる。 「あの頃、よくあいつの家で遊んでたっけな」といったような。人によって異なるかもしれないが、僕にとっては映画や小説では、その感覚は薄い。そのような思い出プレイバックのメディアは、音楽に限ると思っていた。 先日、Wiiのバーチャルコンソールという、過去のゲームのダウンロード販売のページを眺めていて、懐かしいタイトルに心躍り、いくつか続けて買ってしまった。昆虫型の敵機のシューティングゲーム「ギャラガ」(バンダイナムコゲームス)や、モンスターとの追いかけっこ「パックマン」(同)といった、懐かしの名作。ともに、ファミコン版は四半世紀近く前の作品で、ゲームセンターで遊んでいたのは、さらに数年前のことになる。 その頃、まだ僕は子どもだった。一緒にゲームをしていた友達の顔が浮かぶ。税金も人間ドックも、環境問題も、気にすることのなかったあの頃。ブ