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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (135)

  • 自殺した人の脳に共通する特徴とは

    自殺した人に共通する脳の異常は、病などで活性化する偏桃体ではなかった JOHN LUND/GETTY IMAGES <自殺者の脳は何が違うか──その知識を生かせば悲劇を未然に防げる?> 自らの命を絶つ前の週、ジェレミー・リッチマン(49)はフロリダ州のフロリダ・アトランティック大学で講演を行った。 テーマは「人間であることの脳科学」。脳科学を活用すれば、自分や他人を傷つけるリスクがある人に気付き、支援の手を差し伸べられる可能性がある──それが3月19日に行われた講演の趣旨だった。 聴衆の関心も高かったに違いない。この2日前、フロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で昨年2月に起きた銃乱射事件の生存者の1人が自殺していた。数日後には、同じ高校の生徒がまた1人命を絶った。アメリカの自殺者は増加傾向にあり、17年には4万7000人に達した。 リッチマンは、このテーマにこ

    自殺した人の脳に共通する特徴とは
  • コーヒー1日25杯まで問題なし=専門家 飲みすぎの是非に終止符か 

    <美味しいコーヒーがさらに美味しく感じる、コーヒー愛飲者に朗報> 一日の始まりの一杯、仕事の合間にコーヒーブレイクでホッと一息、打ち合わせでまた一杯...... コーヒーを飲む機会はなかなかに多く、1日の終わりには「今日はコーヒーを飲みすぎたかも」なんて思い返すことがあるが、不安は杞憂だったようだ。 英ガーディアンによると、コーヒーを飲む量が1日当たり1杯未満でも、はたまた25杯飲んでも動脈硬化は悪化しないことが、イギリス心臓血管学会で発表された。 さらに、これまで発表されてきた、コーヒーは動脈を硬くし心臓に圧力をかけ、心臓発作や脳卒中の可能性を高めることを示唆するという説を覆す結果が出た。 【参考記事】コーヒーを思い起こさせる「何か」だけで人は覚醒する 飲んでも影響なし 同研究は、英国心臓財団(BHF)が一部出資し実施された。イギリス全土で8412人を対象に、コーヒーの摂取量別で1日当た

    コーヒー1日25杯まで問題なし=専門家 飲みすぎの是非に終止符か 
  • Huawei一色に染まった中国メディア──創設者が語った本音

    Huawei創業者の任正非CEOは、5月21日、中国メディアの取材に応じ、150分間にわたって音を語った。中国のメディアが一斉に報道しHuawei一色に染まった。そこから見えるものは? 初めての現象 中国のメディアが、ここまでHuawei(華為技術。以下「華為」)の情報を「全開」の形で報道するのは、初めてのことだ。 これまでは、昨年、華為の孟晩舟CFOが拘束された時でさえ、中央テレビ局CCTVは多くの時間を費やさず、外交部報道官は海外向けに激しく抗議していたが、中国の国内向けには控え目だった。ましてや昨年末に開催された改革開放40周年記念大会で表彰された100人のリストにさえ華為の任正非氏は入ってなかったくらいだから(参照:2018年12月30日付けコラム「Huawei総裁はなぜ100人リストから排除されたのか?」)、華為のことを大々的に報道することなどあり得なかった。 ところが、CCT

    Huawei一色に染まった中国メディア──創設者が語った本音
  • ニッポン人の議論は「のんきすぎ」でお話にならない 危機感もって「本質」を徹底的に追求せよ

    オックスフォード大学で日学を専攻、ゴールドマン・サックスで日経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日経済の研究を続け、『新・観光立国論』『新・生産性立国論』など、日を救う数々の提言を行ってきた彼が、ついにたどり着いた日の生存戦略をまとめた『日人の勝算』が刊行された。 人口減少と高齢化という未曾有の危機を前に、日人はどう戦えばいいのか。連載では、アトキンソン氏の分析を紹介していく。 年初より続けてきた連載も12回目を迎えました。今回が最終回となります。お付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。最終回ということで、まずこれまで連載で展開してきた議論を総括してみたいと思います。 経済規模を示すGDPは、「GDP=人間の数(つまり人口)×1人当たりの生産性」という式で表すことができます。これから日では人口が減るので、生産性

    ニッポン人の議論は「のんきすぎ」でお話にならない 危機感もって「本質」を徹底的に追求せよ
  • 加齢による記憶力低下が、電気刺激で20代並みに回復した:米研究

    <ボストン大学の脳科学者らが、高齢者の脳に電気的な刺激を頭皮を通じて送ると20代と同程度に記憶力が回復するという研究成果を発表した> 自然に記憶力が低下する60〜70代の被験者に対し、電気的な刺激を頭皮を通じて脳に送ると、20代の被験者と同程度に記憶力が回復した──。そんな研究成果を、米ボストン大学の脳科学者らが発表した。 20代後半か30代前半から作業記憶の低下が始める ボストン大学のロバート・ラインハート助教授とジョン・グエン氏がまとめた論文が、神経科学系の英学術誌『ネイチャー・ニューロサイエンス』に掲載され、英メディア『ザ・ガーディアン』などが報じた。 ラインハート助教授の説明によると、今回の研究で対象にしたのは「作業記憶(working memory)」を司る脳の領域。作業記憶とは、買い物のリストを暗記したり、鍵を置いた場所を覚えているといった、日常生活の中でごく短期間保たれる記憶

    加齢による記憶力低下が、電気刺激で20代並みに回復した:米研究
  • 銃乱射生存者2人と犠牲者の父親が相次いで自殺

    PTSD Symptoms, Causes: Second Parkland Student Dies By Suicide In A Week <銃乱射関連の自殺が1週間で3件、アメリカの病気が生んだ銃の「2次被害者」たち> 2018年2月にフロリダ州パークランドの高校で銃乱射事件が起き、生徒14人、教師3人が犠牲となってから1年あまりが過ぎた。その際に生き残った生存者2人が、ここ1週間のうちに続けて自ら命を絶った。 地元警察の発表によると、銃乱射サバイバーの女性シドニー・アイエロ(19歳)が3月17日に自殺してから1週間後に、別のサバイバーが自ら命を絶ったと発表した。2人目の自殺者の名前と死因は明らかにされていないが、男性で、銃乱射事件の現場だったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の2年生だったという。 2018年に同校を卒業したアイエロは、犠牲者のひとり、メドウ・ポラックの親し

    銃乱射生存者2人と犠牲者の父親が相次いで自殺
  • ウイグル人の次は回民、習政権のムスリム虐殺は続く

    <新疆ウイグル自治区は「宗教の中国化」先進地域? 毛沢東を救ったイスラムの民を襲うジェノサイド> 100万人ものウイグル人とカザフ人を再教育センターに強制収容した新疆ウイグル自治区は、今や中国で「先進地域」の地位を獲得したらしい。 全国人民代表大会(全人代)で3月5日、李克強(リー・コーチアン)首相が習近平(シー・チンピン)国家主席の「宗教の中国化」路線を強調。その翌日には、内陸部の寧夏回族自治区幹部が「先進地域」に倣えと発言した。 イスラム教の「中国化」の下、「テロリスト予備軍」ウイグル人を「善良な中国人民」に改造しつつあると評価され、晴れて「先進」の栄冠を手にしたのだ。 現地では聖典コーランの誦読(しょうどく)が禁止され、携帯電話からイスラム関連アプリの削除を義務化。オアシスのウイグル人村落に漢民族を送り込んで雑居を進め、漢民族の幹部たちはウイグル人の家々に「進駐」。豚肉を強制し、母

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  • 環境が「人権」をもち、破壊を逃れるために人間を訴える時代がやってきた

    <世界では、自然や川に法的な人格と環境保護のための訴訟を起こす権利を認める動きが広がっている> 今世紀の初め、大自然に対し法的な権利を認めるという考えは環境法の専門家からも世論からもまともに相手にされなかった。 ところが今では、ニュージーランドのワンガヌイ川には法的な人格が認められているし、インドのガンジス川にも先ごろ、「人権」が認められた。エクアドルは憲法で、自然には「完全に尊重される権利」があると定めている。 いったいこれらは何を意味しているのだろうか。 自然に対し「権利」を与えるという理論はもともと、1970年代にアメリカの法学者クリストファー・ストーンが、環境保護戦略として提唱したものだ。 環境保護を巡る訴訟の多くが、原告に訴訟の当事者となる法的な権利がないとの理由で失敗に終わっている。環境保護団体は土地の所有者でも何でもないから、訴訟を起こす権利があることを証明するのは容易なこと

    環境が「人権」をもち、破壊を逃れるために人間を訴える時代がやってきた
  • またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死

    死亡したクジラの胃袋からは40kgものプラスチックゴミが出てきた。(c) Panay News - facebook <世界最大の哺乳類にとって一番の敵はシャチやサメではなく、人間が捨てたゴミだった> フィリピン南部ミンダナオ島のダバオ南東にあるコンポステラ・バレー州の海岸で衰弱したクジラが発見され、翌日に死亡。解剖した結果、胃の中から約40キログラムのプラスチックゴミが発見、回収された。プラゴミで胃が一杯となったためにエサをべられなかったことで衰弱、死亡したとみられている。 このクジラは3月15日に同州海岸の波打ち際で弱っているところを地元民が発見。ダバオの環境保護団体などが駆けつけたものの16日に死亡が確認されたことが18日に発表された。フィリピン地元各紙などが伝えた。 地元漁業関係者や環境保護団体などによると死亡したクジラはまだ若いアカボウクジラで全長約4.6メートル、体重は約50

    またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死
  • インドから上陸した「不動産業界のアマゾン」 敷金礼金ゼロ「スマホで完結」のカラクリとは

    東京・新宿区内の新築マンション。一部屋約10平方メートルで家賃は8.7万~9.6万円。およそ半数の部屋がOYO LIFE経由で貸し出される(記者撮影) 敷金・礼金・仲介手数料は無料、契約手続きはすべてスマホで完結。不動産屋に出向くことはおろか、紙での書類のやり取りも一切なし。賃貸住宅にもいよいよIT旋風が吹き始めた。 仕掛けたのはインド発のホテル運営会社OYO(オヨ)だ。OYOはインドのほか、インドネシアや中国、イギリスなど世界8カ国で事業を展開する。日ではヤフーと共同で「OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN(商標:OYO LIFE)」を設立した(OYO66.1%、ヤフー33.9%出資)。 日ではホテルではなく、賃貸住宅事業に進出する。その理由についてOYO LIFEの勝瀬博則CEOは、「日賃貸住宅市場は約12兆円と、ホテル市場の10倍。ホテルは競争が激

    インドから上陸した「不動産業界のアマゾン」 敷金礼金ゼロ「スマホで完結」のカラクリとは
  • 日本の絵本が中国でケタ外れに売れる理由 世界が狙う巨大市場にどう切り込んだ?

    児童書国内最大手のポプラ社が中国に設立した現地法人、蒲蒲蘭(ぷぷらん)の絵。北京市内の新業態書店に並び、中国人親子の目を引いている(筆者撮影) 日の出版市場は2018年も縮小し、書籍・雑誌の推定販売金額は1兆2921億円(出版科学研究所調べ)となり、1997年に前年を割って以来、21年間にわたってマイナスが続いている。その背景には、メディアの多様化や人口の減少など構造的な問題があるため、今後もすぐに市場が拡大に転じることは考えにくい。 そのような中で、海外市場が注目されている。なかでも、巨大な人口を抱え、日とは文化的にも経済的にも密接な関係を持つ中国市場の存在感が出版業界で高まっているのだ。 「トットちゃん」中国で1000万部突破 2017年、日でも800万部を超えて戦後最大のベストセラーとなっている黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』の中国版発行部数が、日を上回る1000万部を突破

    日本の絵本が中国でケタ外れに売れる理由 世界が狙う巨大市場にどう切り込んだ?
  • インド発の健康スーパースナック「オニバスの種」登場

    <低カロリーで物繊維も栄養価もたっぷり、環境にも優しいオニバスの種がアメリカでブレイク中> 見た目は妙に丸っこいポップコーンだが、素材はアメリカの大型農場で大量の農薬を浴びて育ったトウモロコシではない。インドの沼地でのんびり育ったオニバス(鬼蓮)の種子だ。オニバスはモネの絵で有名なスイレンの仲間で、お釈迦様が乗る蓮の遠縁に当たる。しかも、現代人の生活で不足しがちな栄養素を豊富に含んでいる。 そう、今年のアメリカではオニバスの種が私たちの「体に優しい」スナックとして大ヒットの予感。もともと原産地のインドでは、伝統的なおやつとして人気の材だ。 「ふわっとしているのに、一口目はカリッとしている」と言うのは、「ボハナ」というブランド名でオニバスの種を売り出したプリヤル・バーティア。「そのままだと少し土臭いけど、いろんなスパイスで風味を加えるとおいしくなる」 オニバスをアメリカ市場にもたらした

    インド発の健康スーパースナック「オニバスの種」登場
  • 日本生まれのインスタントラーメン、韓国で育ち過激な味に 里帰りでブーム呼ぶか?

    韓国でトップシェアの農心は辛ラーメンで世界各国に進出。写真はカナダ・トロントのスーパーに並ぶ辛ラーメン。 Chris Helgren - REUTERS <安藤百福が発明したインスタントラーメンは今や世界中で愛される存在に。それぞれの国の味に育ち、なかには日に逆輸入されるものも──> 今や日の国民ともいえる「ラーメン」。その人気は日だけにとどまらず海外でも注目されている。もちろん、お隣りの韓国でもラーメンブームを巻き起こすほど定番の外メニューだ。今ではお店でべる日ラーメンスタイルも定着しているが、ひと昔前までは韓国ラーメンといえば「ラミョン」と呼ばれるインスタントラーメンを指していた。 その消費市場規模は2018年度1兆6005億ウォン(韓国農水産品流通公社発表)。2016、2017年には人口1人当たりのインスタントラーメン消費量世界1位(世界ラーメン協会資料)になるほ

    日本生まれのインスタントラーメン、韓国で育ち過激な味に 里帰りでブーム呼ぶか?
  • モンゴルの牧畜の死骸はプラスチックまみれ......朝青龍が挑む「羊たちの沈黙」

    春先にごみをあさる家畜の群れ(モンゴル) MADOKA IKEGAMIーBARCROFT IMAGESーBARCROFT MEDIA/GETTY IMAGES <放置されてきたユーラシア遊牧民の嘆きと、欧米をプラごみ対策に動かしたクジラ愛護の悲しい落差> 「死んだ羊の胃袋の中には、草よりもプラスチックが多かった」「腸もプラスチックで詰まって、死んでいった牛は何頭もいた」 こうした嘆きを私は90年代から、中国内モンゴル自治区の草原で聞かされていた。当時は高度成長期の中国が生産する大量のプラスチック製品がモンゴル人の牧畜地帯に持ち込まれ、問題となっていた。カラフルなプラスチック製品は白く変色し、何年たっても緑の草原に散らかったまま消えなかった。 草が生えそろわない春先に、羊や牛は草原のプラスチックをべ、消化されずに体内に蓄積されてしまう。それらは何日たっても排泄できずに、次第に弱って死んでい

    モンゴルの牧畜の死骸はプラスチックまみれ......朝青龍が挑む「羊たちの沈黙」
  • パリに開店した3ツ星シェフの「無料レストラン」にボランティアとして潜入したら...

    2016年の調査ではフランスの人口の14%にあたる880万人が貧困層と報告された(写真はイメージ) Zinkevych-iStock <パリの教会の地階に、「世界一のシェフ」が開いたレストランが話題になっている。極貧層の「お腹」と「自尊心」を満たすという。一体どんなレストランなのか――、筆者がサービス係のボランティアとして潜入してみた> 1月下旬、雪が降る日にパリ・オペラ座の前で小銭を求めるフランス人男性がいた。セカセカと通り過ぎる人々に遠慮がちに話しかけるギョーム(45)は、つい最近この生活を送るようになったという。以前は工場で勤務をしていたが腰を壊して以来、現在は政府から約550ユーロ(約6万8700円)の生活扶助を受けるのと、こうして道端で小銭を集めて生計を立てている。 ギョームはこう小声で語った。「物価が上がり、もうパリには住めない。郊外で1部屋のボロアパートをシェアしている」 ウ

    パリに開店した3ツ星シェフの「無料レストラン」にボランティアとして潜入したら...
  • ロシアの新兵器は、敵の視力を奪い嘔吐させる

    ロシアの飛び地カリニングラードに停泊したロシア海軍艦船。右が「アドミラル・ゴルシコフ」(2015年) Maxim Shemetov-REUTERS <すでに実戦配備が始まっているこの防御用兵器に守られたロシア軍を、あなたは見ることができない?> ロシア海軍の軍艦2隻に、新しい防御用兵器が装備された。実験では、「敵」は幻覚を起こし、平衡感覚を失って嘔吐したという。 ロシアの国営通信社RIAノーボスチ通信社によれば、ロシアのある武器メーカーがこの「フィリン5P-42」という「光学的視覚干渉装置」を海軍に供給しはじめている(「フィリン」はワシミミズクの意味)。 フィリンシステムを開発したルスエレクトロニクスによると、敵を幻惑し戦闘不能にするこのテクノロジーは、ロシア海軍のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」と「アドミラル・カサトノブ」に搭載済みだ。 現在は二隻とも、大西洋で哨戒活動を行っている

    ロシアの新兵器は、敵の視力を奪い嘔吐させる
  • 南極の氷河の下に巨大な空洞が発見される

    <南極大陸西部にあるフロリダ州とほぼ同じ大きさのスウェイツ氷河が、急速に溶けていて氷河の下に巨大な空洞が存在することが明らかになった> 南極大陸西部に位置し、南極海の海域のひとつであるアムンゼン海に流れ込むスウェイツ氷河の下に巨大な空洞が存在することが明らかとなった。 マンハッタン島の3分の2に相当する大きさの空洞も発見 アメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)を中心とする共同研究チームは、2019年1月30日、オープンアクセスジャーナル「サイエンス・アドバンシーズ」において、「1992年から2017年にかけて、スウェイツ氷河の流動速度が加速し、氷が薄くなり、氷河と海との境界線が後退している」との研究論文を発表した。 この観測では、スウェイツ氷河の下で、米ニューヨーク市マンハッタン島の3分の2に相当する大きさの空洞も発見された。その高さはおよそ1000フィート(約305メ

    南極の氷河の下に巨大な空洞が発見される
  • カザフ人2000人の中国大量出国は、ウイグル人抹殺の予兆なのか

    観光客にタカを披露するカザフ人(新疆ウイグル自治区ウルムチ) Zhang Peng-Lightrocket/GETTY IMAGES <毛沢東の策謀で露と消えた東トルキスタンの夢――「夷をもって夷を制す」分断策が逆に民族意識に火を付ける> 昨年12月、中国当局は出国を希望する国内在住のカザフ人約2000人に対し、隣国カザフスタンへの移住を許可した。今後は中国国籍を離脱し、カザフスタン国籍取得と定住手続きが始まると、カザフスタン外務省は事実を認めているという。 カザフ人の出国を許したのは中国新疆ウイグル自治区で進められている苛烈なエスニック・クレンジング(民族浄化)に対する国際社会からの批判をかわすためだろう。中国当局は100万人を超えるウイグル人を「再教育センター」と称する強制収容所に閉じ込めて弾圧。同時に無数の漢民族を入植させて、「ウイグル人なき東トルキスタン」を創出しようとしている。

    カザフ人2000人の中国大量出国は、ウイグル人抹殺の予兆なのか
  • 自然豊かな観光大国ニュージーランドで水質汚染 「100%ピュア」は看板倒れか

    ニュージーランド(NZ)が誇る「美しくゆたかな自然環境」というイメージが打撃を受けている。田園地帯を訪れた観光客が、ごみや農業排水、人間の排泄物で汚染され、立ち入り禁止となった湖沼や河川の写真を投稿しているためだ。 好況に沸く酪農産業と、手付かずの自然の魅力を求めて押し寄せる観光客が、「100%ピュア」と銘打って盛んに宣伝されてきた同国の自然環境に長い影を落としている。 特に影響を受けているのが、かつては文明による汚染を免れていた河川や湖沼で構成される広大な水系だ。いまや経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかでも、最も汚染度が高い部類に入る、と一部の専門家は指摘する。NZ環境省の2014年報告では、水系の約6割は遊泳に適さないという。水質はその後さらに悪化したと専門家は言う。 市場調査会社コルマー・ブラントンが先月実施した調査によれば、82%が湖沼や河川の汚染について非常に、または大変に

    自然豊かな観光大国ニュージーランドで水質汚染 「100%ピュア」は看板倒れか
  • 「老化細胞を破壊すれば長生きできる」 アメリカの研究チームが発表

    <一部の細胞を薬剤で破壊することで老化を阻止し、寿命を延ばせるという新たな研究結果が発表された> 人は年を取ると骨がもろくなったり、臓器が徐々に機能しなくなったりする。だが加齢に伴うこうした現象をい止めることができるかもしれない──メイヨー・クリニック(米ミネソタ州)の研究チームが医学誌ネイチャー・メディスンに発表した論文は、そんな期待を抱かせる。 論文によれば私たちの体内には、加齢に伴う多くの病気を引き起こす「老化細胞」がある。これらの細胞は死滅することなく、加齢とともに体内に蓄積される。老化細胞が暴れ出すことで他の細胞を死滅させ、それによって多くの病気を引き起こしている可能性があるという。 だが研究チームはマウスを使った実験から、これらの老化細胞を破壊すれば悪影響を阻止し、あるいは覆せる可能性もあると結論付けている。 【参考記事】もう既に不老不死の時代!?「あと10年で、寿命回避速度

    「老化細胞を破壊すれば長生きできる」 アメリカの研究チームが発表