皇位継承に伴う新しい元号の公表が、来年4月になる見通しとなった。施行1カ月前というタイミングで、移行のための準備作業に支障が出ると心配されている。くらしへの目配りを欠く日程は再考する必要がある。 今回の代替わりでは、まず改元の時期をめぐる綱引きがあった。社会の混乱をなるべく小さくするには、年の初めか、年度替わりの4月とするのが理にかなう。だが政府は、年初は皇室行事が続き、来年4月は統一地方選があって慌ただしいなどとして、5月1日に決めた。 次に注目を集めたのが新元号の公表時期だ。行政や金融機関のコンピューターシステムの改修、手帳の製作工程などを考えれば、早く明らかにして、余裕をもって準備・検証に臨めるようにするのが望ましい。当初は今夏の公表も検討された。 これに政権の支持基盤である保守層から異論が出る。あまり早いと今の陛下に失礼だし、皇太子さまとの二重権威状態を生み出すという意見だ。思惑が