37歳。もはや「40手前」という大雑把なくくりでしか説明のできない歳になって、さて何を思うということもないというのが正直なところだったりする。お祝いの言葉やプレゼントをいただく機会も人も増えたけど、それに見合うだけの何かが自分にあるのかと言われれば心許ない。なのに、たぶん年下の世代が増えてきたからなんだけど、この年齢には当然このようなことを期待できるとか、それに応えられて当然だという視線を陰に陽に感じて、その辺のギャップは深まるばかりだったりする。 一方で、経験した方の人生はまるでループゲームを眺めているようだ。学校という場所が特殊なんだろうけど、めざましく成長した学生たちを送り出し、彼らの人生が社会人に最適化されていくのをぼんやりと眺めながら、自分だけがスタート地点に巻き戻されていく。一人ひとりの人生は多様で、ひとつとして同じものはないはずなのに、色んなことを経験の枠組みで処理して理解し