安倍晋三元首相の国葬が27日に行われる。7月8日の安倍氏の死去後、政府は早々に国葬実施を決定したが、その後、安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係などで国葬への批判が強まり、報道各社の世論調査で反対が賛成を大きく上回る状況となった。「逆風」の背景には、岸田文雄首相サイドの調整・説明不足と対応の遅れがある。 自民党内でも事前の根回しなく 国葬実施は、岸田首相、松野博一官房長官、木原誠二官房副長官ら官邸の一握りのメンバーで決定された。関係者によると、首相サイドが自民党側に実施を伝えたのは、首相が方針を表明した7月14日夕の記者会見の1~2時間前。野党はおろか、自民党への事前の根回しもなかった。 首相サイドの「独断」の背景には、7月10日投開票の参院選で自民党が大勝し、政権運営への自信を深めたことがある。 官邸は国葬とする根拠についても強気だ…