“世界三大宗教”の中で、キリスト教や仏教はなんとなくわかるものの、さすがにイスラム教はよく分からないという日本生まれの読者は少なくないだろう。 ニュース番組では、宗教に根ざす国家・組織の対立関係や、石打ちで死刑にする法律の話など、価値観や常識の大きな違いを耳にしがちだ。たとえば2020年1月にはイランの民兵組織の司令官の暗殺とそれに対する報復とも取れるアメリカ軍基地への攻撃があり、あらためてイスラム教のバックボーンである中東およびペルシャ湾岸地域に不穏な空気が立ち込めつつある。 実際、日本はアメリカの同盟国だというだけなら話は単純だが、「アメリカがどう言おうがイランからも原油を買うよ」というのが、比較的最近まで日本のエネルギー安全保障政策の基本だったりした。我々が日常的に意識する以上に、日本は中東・ペルシャ湾岸地域と深い関係で結ばれている。 さて、少し前のニュースとなるが2014年、東京の