1.はじめに 標的型攻撃による機密情報の漏洩や、フィッシング詐欺による被害がメディア等でもさかんに取り上げられているが、これらの攻撃の入り口として電子メールが最も頻繁に悪用されている。例えば標的型攻撃では、攻撃者が取引先企業の人物や職場の同僚などになりすまして電子メールを送信し、そのメールの添付ファイルを開封した受信者をマルウェアに感染させる手口がよく知られている。また、フィッシング詐欺では、ショッピングサイトやオンラインバンクなどになりすまして、パスワードの変更を促すなどの内容で受信者にフィッシングサイトに誘導し、個人情報や金銭の奪取を試みる手口が典型的である。 なりすましメールを送信する攻撃者は、本来の送信者に関する情報を様々な手段でなりすまして送信する。その代表的な手口として、以下の3つの方法が挙げられる。 表示名(ディスプレイネーム)を詐称する本物の送信者のドメイン名と類似したドメ