心筋梗塞などのリスクを高める「脂質異常症」の原因として、悪者扱いされてきた食品に含まれるコレステロール。過剰摂取を避けるために摂取が制限されてきたが、世界的に見直しが検討されている。ただ、健康診断などのときに食事のコレステロールを控えるように言われた人も多いだろう。本当に気にしなくても大丈夫なのだろうか。(平沢裕子) 目標量を撤廃厚生労働省は今年4月改訂の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、これまで成人は男750ミリグラム、女600ミリグラムを上限としていた食事からのコレステロールの目標量を撤廃した。摂取基準には、国民の健康の維持・増進や生活習慣病予防などを目的として、各栄養素の摂取量が決められていた。コレステロールについては摂取基準ができた平成16年から目標量を設けていた。撤廃について、厚労省栄養指導室は「目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」と説明する。 コ