東京電力の脱原発株主が、勝俣恒久会長はじめ事故責任を負うべき東電歴代取締役27人に対し、5兆5千億円余りの賠償金を会社に支払うことを求めた「東電株主代表訴訟」。個人の責任を明確にしたうえで、被告から回収した金を、東電が原発事故被害者への賠償金に充てることを要求している。2012年3月5日に提訴し、6月14日、第1回口頭弁論が開かれる。 この訴訟の事務局長を務める木村結さんが、脱原発運動に立ち上がったのは、1986年のチェルノブイリ事故がきっかけだった。 「私の父は特攻隊の生き残りで、家では暴力を振るう人でした。私は父に、『なぜ、戦争に反対できなかったの?』と詰め寄ったことがあります。チェルノブイリの事故が起きた時、『自分も父と同じことをしてしまった!』と思いました」 悩んだ末に産んだ娘に、「なぜ原発を止めてくれなかった!」と責められても仕方がないという痛恨の思い。「何千キロも離れた日本まで