あれから1年 山口組が分裂する――。 暴力団社会に衝撃の情報が流れたのは、昨年(2015)8月26日だった。その翌日、直参(直系組長)が緊急招集され、そこに出席しなかった13団体が「造反派」と見なされ、絶縁・破門の処分を受けた。 それから1年が経過、あの分裂は、我々に何を教えるのか。 処分に対する準備を整えていた13団体は、井上邦雄山健組組長をトップに、「神戸山口組」を立ち上げ、「御挨拶」と書かれた書状を全国の暴力団組織に送付した。 <現山口組六代目親分に於かれては表面のみの「温故知新」であり中身にあっては利己主義甚だしく歴代親分、特に三代目親分の意を冒涜する行為多々あり> <我ら有志一同の者、仁侠道の本分に回帰致し歴代山口組親分の意を遵守する為、六代目山口組を離脱致し、新たなる「神戸山口組」を発足し> 盃事で「親子」「兄弟」の縁を結ぶ暴力団社会では、親を裏切ることになる「逆盃」は、許され