オバマ政権の財務長官を務めるティモシー・ガイトナー氏は4月22日、講演を行った後に、新しい仕事を引き受けたことを後悔しているかどうか聞かれ、永遠とも思えるほど長い間沈黙した後でこう答えた。 「私は・・・えー・・・非常に光栄に感じている」。聴衆からは、どっと笑い声が上がった。 ガイトナー氏の最初の3カ月間は、まさに受難続きだった。新財務長官としてニューヨーク連銀総裁だった同氏の名前が浮上した昨年秋には、市場が急騰した(下の図参照)。 一時は辞任も時間の問題と言われた だが、今年1月の正式就任から数週間で、個人的な税金問題が露見、評判の悪い金融システム安定化策や大手保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済に対する反発が起き、ワシントンではガイトナー氏の辞任は時間の問題だと考える人もいた。 経済に対する新たな期待が生まれる中で市場が持ち直すと、辞任の噂は次第に収ま