12月1日付毎日新聞に『ある北大生の受難』の書評が掲載されました! ********************************** 2013年12月1日 毎日新聞 上田誠吉著『ある北大生の受難――国家秘密法の爪痕』(花伝社・1785円) 軍機保護法“再来”を認める前に知るべきこと(評:中島岳志) 秘密保護法案が可決されようとする中、振り返らなければならない歴史がある。 宮沢・レーン事件――。 「大東亜戦争」勃発直後に北海道帝国大学学生の宮沢弘幸とアメリカ人教師・レーン夫妻が逮捕された事件である。容疑は軍機保護法違反。当人たちにとって全く身に覚えのないスパイ容疑がかけられ、懲役12〜15年の有罪判決が出た。レーン夫妻は戦中に交換船で帰国。宮沢は網走刑務所に収監され、戦後に釈放されてから間もなく死亡した。 宮沢は闊達な学生だった。東京で生まれ育ったものの、雪と山にあこがれて北大に入学。語