文明交錯 (海外文学セレクション) 作者:ローラン・ビネ東京創元社Amazonこの『文明交錯』は、スペインがインカ帝国を征服した史実を反転させ、逆にインカ帝国がスペインを征服していたら世界はどう変わっていったのかを描き出す歴史改変長篇だ。著者は『HHhH――1942年』などで知られるローラン・ビネ。 『HHhH』はメタ歴史小説とでもいうべき傑作で、本作もその設定のキャッチーさからかなり期待して読み始めたが、期待以上のおもしろさだ。普通に考えたら資源にも装備にも劣るインカ帝国がスペインを征服できるはずはないのだが、何が起こったらそれが起こり得るのか? を追求していく手付きはまるでノンフィクションを読んでいるかのよう。そして、征服の過程、また征服を終えた後、反乱を抑え周辺諸国と渡り合っていくために内政をいちから整えていく様はまるでゲーム『シヴィライゼーション』をプレイしているかのようなスピード
![インカ帝国「が」スペインを侵略した架空の歴史を描く、読む『シヴィライゼーション』とでも言うべき改変歴史長篇──『文明交錯』 - 基本読書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/292b43c47690dab37a2ce439e8b4fe4ab9d87272/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.image.st-hatena.com%2Fimage%2Fscale%2F770a22f7d9600be5ccef85910a6bab4ca0ce81ea%2Fbackend%3Dimagemagick%3Bversion%3D1%3Bwidth%3D1300%2Fhttps%253A%252F%252Fm.media-amazon.com%252Fimages%252FI%252F51WZGqSFN1L._SL500_.jpg)