カタツムリが交尾の際に突き刺す鋭い矢「ラブダート(Love dart)」が、交尾相手の生殖能力を低下させ、寿命を縮める可能性があることが、東北大学の生物学者、木村一貴氏らの研究で明らかになった。3月10日付の『Proceedings of the Royal Society B.』誌に発表された。 カタツムリには、雌雄同体のグループと雌雄異体のグループがある。そのうちラブダートを突き刺すのは、雌雄同体のカタツムリの一部。ダートはカルシウムでできていて、カタツムリが相手の体にこれを刺すと、ダート表面に塗布された特殊な分泌液が送り込まれ、卵子を受精させるのを手助けする。 複数のパートナーと何度も交尾する習性を持つカタツムリにとって、とても役に立つ道具だ。ところが今回の研究では、交尾に欠かせないこのダートが、相手の生殖能力を低下させ、寿命を縮めてしまうことが明らかになった。 利己的な「恋の矢」
![カタツムリの「恋の矢」が相手の寿命短縮、東北大](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7f196cc5db12e3c7090e104b59968376201abee9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnatgeo.nikkeibp.co.jp%2Fnng%2Farticle%2F20150313%2F439113%2Fph_thumb.jpg)