5月14 曽我謙悟『日本の地方政府』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 日本の地方政府(地方自治体)について、その制度と国や地域社会の関係などから明らかにしようとした本になります。 このような政治制度やその実態を明らかにしようとする本だと、事例(地方自治をめぐるさまざまなトピック)や歴史(地方自治の起源、地方分権改革がもたらした変化など)を中心に論じるのがオーソドックスなやり方だと思いますが、この本ではデータと制度、さらにその制度から予想される帰結とそこからのズレを中心に論述を進めていきます。 この書き方は著者の『現代日本の官僚制』と同じで(もちろん、あそこまで思い切ってはいませんが)少し面食らう人もいるかも知れませんが、抽象的な言葉で漠然と枠組みを作って(例えば、「日本の地方政府の特徴は「分離」と「融合」である」みたいな書き方)終わりというのではなく、具体的な制度に基づいて論じ