2月21 富田武『ものがたり戦後史』(ちくま新書) 7点 カテゴリ:歴史・宗教7点 副題に「「歴史総合」入門講義」とあるように、ロシア・ソ連の政治史を専門とし、『シベリア抑留』(中公新書)などの著作を持つ著者が、2022年度から高校で始まる「歴史総合」を意識して書いた本になります。 ただし、「学校行事等を勘案すると、授業時間(通例1時限50分)は51回くらいしか確保できないと聞いている。私見では、51回では20世紀史も難しく、2時間連続で100分キープしても25回程度でやれる範囲は「戦後総合史」であろう」(16−17p)と書いてあるように、歴史総合が対象とする18世紀あたりからの近現代史というものはあきらめており、あくまでも戦後史のみが対象です。 著者の専門はロシア・ソ連史ということになりますが、本書は日本史を軸に世界の動きを取り入れるという形で叙述されており、日本史を専門とする教員にとっ