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ブックマーク / honz.jp (5)

  • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

    2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

    2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ
    obaratch
    obaratch 2024/07/15
  • 『コード・ブレーカー』生命科学の最前線を描く話題作 - HONZ

    ぼちぼち年末だというのに、年内に読み切れるのか途方に暮れるくらい注目のノンフィクションが目白押しである。その中でひとつだけ選べと言われたらこのを推す。書はなにをおいても読むべき傑作だ。 なにしろ当代随一のノンフィクション作家、ウォルター・アイザックソンの最新作である。アイザックソンはこれまで、スティーブ・ジョブズやレオナルド・ダ・ヴィンチ、アルベルト・アインシュタインなど、世界を変える革新的な仕事をした人物を描いてきた。彼が今回主人公に選んだのは、DNAを書き換える技術を開発し、ノーベル化学賞を受賞した女性科学者、ジェニファー・ダウドナである。 多様な読み方ができることは傑作の条件のひとつだ。書もさまざまなテーマを扱っている。メインは、生命科学の分野で現在も進行中の熱い革命である。論文の掲載や特許をめぐる激しい競争、成功と名声への渇望、ライバルへの攻撃、仲間との友情といった、キー・プ

    『コード・ブレーカー』生命科学の最前線を描く話題作 - HONZ
    obaratch
    obaratch 2022/11/21
  • 『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ

    記憶がえてして頼りないものであることは、いまではよく知られている。その象徴的かつ重大な例としてすぐに思い浮かぶのは、記憶違いにもとづく冤罪事件だろう。国際的な非営利団体の報告によると、2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件あった。そしてそのうち、じつに235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていたというのである。 記憶違いの問題はけっして他人事ではない。と行った初デートの場所を間違って記憶していたこと、あるいは、他人のやった仕事を自分がやったかのように勘違いしていたこと、そのような経験に誰しも思い当たるふしがあるのではないだろうか。しかしそれならば、わたしたちの記憶はどうしてそのように頼りないのか。また、記憶がときとして大きく歪められてしまうのは、いったいどうしてなのだろうか。 書は、そのような問題にイギリスの若手研究者が迫ったものである。著者のジュリア・シ

    『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ
  • 意識は過大評価されている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』 - HONZ

    意識をめぐるは最近も『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』や『意識をめぐる冒険』が職の神経科学者によるノンフィクションとして発表されるなど、翻訳(と出版)が比較的に途絶えない分野である。書の著者もまた職の認知神経科学者ではあるが、特異性は徹底した実証に基づく意識の定義、およびその応用可能性についての地道な記述であろう(他の著者が実証に基づいていないわけではなく、アプローチの違いであることは後述)。 書では哲学的な謎を、実験によって検証可能な現象へと変えた戦略を詳しく解説する。この変化は「意識のより明確な定義」「意識的知覚を実験によって操作できるという発見」「主観的な現象に対する尊重」という三つの要素によって可能になった。 書の構成は意識の定義、無意識及び意識の働きの実証的考察、意識に関する理論的仮説の提起、臨床現場への応用事例と段階を踏んで、かつ自身らの物を含む

    意識は過大評価されている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』 - HONZ
  • 『金融の世界史』 歴史はお金とともに - HONZ

    ファイナンスに関してはビジネススクールでいろいろ聞いたはずなのだけれど、私にとって「お金」は今でもお茶やお菓子を買うためのもので、世の中に存在している不思議な存在のままだ。まあ、生きていければ良い。しかし、書を読んで改めてわかったのは、お金の話が予想以上におもしろい、ということだった。歴史オンチの私は、円とウォンと元と米ドルが、国際通貨だったメキシコ・ドル(銀圓)に由来していることを、書を読んで知った。「ドル」という読み方が通訳が「dollar」を「ドルラル」と読んだのがきっかけだということや、黒船が来た時、差し入れた料の支払いがメキシコ・ドルだったことを知った。そして、それは、『ハウス・オブ・ヤマナカ』を読んだ時に考えた「明治の世の中」のイメージに組み込まれた。初めて電車が開通した頃、まだ飛行機も無線通信もなかった頃に出来た「日円」は、スペインの植民地の銀山とつながっていたのだ。

    『金融の世界史』 歴史はお金とともに - HONZ
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