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書評と思想に関するobsvのブックマーク (44)

  • 読書メモ:『現代思想入門』 - 道徳的動物日記

    現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也 講談社 Amazon 大学生から大学院一年生の頃までのわたしはいっちょまえに「哲学」や「思想」に対する興味を抱いており、哲学書そのものにチャレンジすることはほとんどなかったが、様々な入門書は読み漁っていた。現代思想については難波江和英と内田樹による『現代思想のパフォーマンス』でなされていた紹介をもっとも印象深く覚えており、次点が内田樹の『寝ながら学べる構造主義』や竹田青嗣の『現代思想の冒険』。個別の思想家についてはちくま新書の『〜入門』やNHK出版の『シリーズ 哲学のエッセンス』を読んでいたが、とくに後者についてはあれだけ何冊も読んだのに一ミリも記憶が残っていない。そして、修士論文を書くために英語圏の倫理学や政治哲学のをメインに読むようになってからは現代思想に対する興味はすっかり薄れて、以降ほとんど触れなくなってしまった。 千葉雅也による

    読書メモ:『現代思想入門』 - 道徳的動物日記
  • 市場原理ってなんですか?(ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか』読書メモ) - 清く正しく小賢しく

    今回紹介するのはこちら。 ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか 新自由主義の見えざる攻撃』 いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃 作者:ウェンディ・ブラウン みすず書房 Amazon 書の存在は前から知っていたが、前回紹介した論文でヒースが新自由主義批判の例として紹介していたため、重い腰を上げて読んでみることにした。 kozakashiku.hatenablog.com と言っても、もともと苦手なタイプのなので、メモをとりながら読めたのは第一部(1~3章)と終章だけで、具体的な事例を扱っている第二部についてはほとんど論評できない*1。読んだ部分にしても、正直半分くらいは何を言ってるのかよく分からなかった。が、ここではとりあえず力の限り頑張ってみたい。 新自由主義は「お金」の問題ではない 競争=市場原理? 競争それ自体の評価 感想 新自

    市場原理ってなんですか?(ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか』読書メモ) - 清く正しく小賢しく
    obsv
    obsv 2022/12/22
    “要するに競争というものの捉え方が大雑把で曖昧なのだ。きちんとした新自由主義批判を行いたいなら、競争という概念の内実をもっときちんと検討すべきではないだろうか。”
  • 『「社会正義」はいつも正しい』についての、いくつかの雑感 - 道徳的動物日記

    「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン プラックローズ,ジェームズ リンゼイ 早川書房 Amazon 早川書房から翻訳が出版された作家のヘレン・プラックローズと数学者のジェームズ・リンゼイの共著『「社会正義」はいつも正しい』に関して、出版とほぼ同じタイミングで山形浩生による「訳者解説」が公開された。 しかし、公開当初から訳者解説が差別的であるとしてTwitterなどで炎上。そして、公開から数週間が経過した先日に、公開停止が早川書房からアナウンスされた。 11月15日に弊社noteに掲載した記事「差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!」につきまして、読者の皆様から様々なご意見を頂いております。出版社がなんらかの差別に加担するようなことがあってはならず、ご指摘を重く受

    『「社会正義」はいつも正しい』についての、いくつかの雑感 - 道徳的動物日記
  • 「新自由主義」や「自己責任論」は実在するか?(読書メモ:『<学問>の取扱説明書』) - 道徳的動物日記

    改訂第二版〈学問〉の取扱説明書 作者:仲正昌樹 作品社 Amazon 久しぶりに写経っぽい読書メモ。 「新自由主義」という言葉自体にも気をつけなくてはいけません。日語の「〜主義」、あるいは英語の<〜ism>という言い方はすごく曖昧です。「マルクス主義」とか「ヘーゲル主義」「カント主義」などの個人名が付いている時の「主義」は、その固有名詞と結びついてる特定の思想やイデオロギーに自覚的にコミットしていることを意味するわけですが、「自由主義」とか「社会主義」、あるいは「フェミニズム」になると、その幅がかなり広くなります。むしろ思想傾向とか、基的な考え方の枠組みくらいのゆるい意味で理解した方がいいかもしれません。「民主主義」だと、そもそも英語にすると、<democracy>で、「主義」「思想」ではなくて、「制度」です。「資主義 capitalism」も、思想的な意味での「主義」ではありません

    「新自由主義」や「自己責任論」は実在するか?(読書メモ:『<学問>の取扱説明書』) - 道徳的動物日記
  • M・ラリュエル『ファシズムとロシア』あらすじと感想~ファシスト、非ナチ化という言説はなぜ繰り返されるのか。ロシアは欧州の何に反発しているのか

    T・スナイダー『ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』あらすじと感想~独ソ戦の実態を知... スターリンはなぜ自国民を大量に餓死させ、あるいは銃殺したのか。なぜ同じソビエト人なのに人間を人間と思わないような残虐な方法で殺すことができたのかということが私にとって非常に大きな謎でした。 その疑問に対してこの上ない回答をしてくれたのが書でした。 訳者が「読むのはつらい」と言いたくなるほどこのには衝撃的なことが書かれています。しかし、だからこそ歴史を学ぶためにもこのを読む必要があるのではないかと思います。 スナイダーは1969年生まれの歴史学者です。専門は近代ナショナリズム史、中東欧史、ホロコースト史で、イェール大学の教授を務めています。 ではマルレーヌ・ラリュエルのスナイダー批判を見ていきましょう。 2014年以来、イェール大学教授のティモシー・スナイダーがモティルの論陣に加

    M・ラリュエル『ファシズムとロシア』あらすじと感想~ファシスト、非ナチ化という言説はなぜ繰り返されるのか。ロシアは欧州の何に反発しているのか
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    obsv 2022/04/18
    “「ファシズム」をどう捉えるかという問題は、まさしく現代における歴史観の問題であり、欧州各国においては現在の国のあり方を左右しかねない死活問題だということがよくわかります。”
  • 【書評】トラウマとイデオロギー──マルレーヌ・ラリュエル『ファシズムとロシア』評|乗松亨平

    書にとっては厳しいタイミングでの出版となった。だがこの厳しいタイミングだからこそ、読まれるべきである。 書の原題は「ロシアはファシストか」である。これは修辞疑問であって、現代ロシア政治体制をファシズムとは呼べないというのが著者の主張だ。欧米(やロシア)では絶対悪に等しい「ファシスト」というラベリングによって思考停止に陥ることを諫め、ロシアを西側と連続した反リベラリズムの潮流のなかで捉えるように説く。 著者はロシアの右派研究の世界的第一人者であり、時代の先端を捉える詳細かつ旺盛なそのリサーチは、評者もつねづね参照してきた。その視野が現代だけでなく過去にも広がっていることは、『ゲンロン7』に訳出された、ユーラシア主義とロシア宇宙主義の交錯の歴史を見渡す論文「運命としての空間」からも明らかであろう。書は著者が積みあげてきたリサーチを凝縮したいわば「ベスト盤」となっており、ロシアの現体制

    【書評】トラウマとイデオロギー──マルレーヌ・ラリュエル『ファシズムとロシア』評|乗松亨平
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    obsv 2022/04/18
    “ロシアの現体制を動かしているのはソ連崩壊というトラウマであり、本来あるべき「常態」とみなされるソ連/ヤルタ秩序への回帰が宿願なのだという本書の見立ては、現下の状況に照らして説得力をもっている。”
  • リバタリアンが集まる町を作ったら、そこは熊の巣窟になった──『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』 - 基本読書

    リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか 作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazon はじめに どのように人々は集まってきたのか? 自由な町にヤバいやつらが集まってくる。 リバタリアンらは町を良い方向に変えたのか? おわりに はじめに 他者の身体や私的財産を侵害しない限り、各人が望むすべての行動は自由であると主張する、リバタリアンと呼ばれる人たちがいる。すべてを自由にすべきと考える原理的な人から、条件的に制約を認める人まで無数の思想的内実があるわけだが、そうした思想を持つ人々にとっては多くの国家・地域は制約だらけにみえるだろう。 自分たちの思想を社会に反映させるためには、民主主義の場合にはリバタリアン的思想を持つ候補者に票を投じたり、自分自身が立候補して国の方針を地道に変えていかなければいけないわけだが、それは当然ながらなかなかに大変な

    リバタリアンが集まる町を作ったら、そこは熊の巣窟になった──『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』 - 基本読書
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    なぜ、を読むのか? Why do we need to read books なぜ、を読むのか?書『読書人カレッジ2022』の執筆者の一人である明石健五は、それを「考えるため」であると言います。 ある未知のものに出会ったとき、そこに驚きと感動が生まれる。そうして、初めて自分なりに思考することができ、それを人に伝えることができるようにもなる。 そういう過程を生きられる人のことを、「知性ある人」というのではないか。では、「知性」を自らのものにするためにはどうすればいいのか。繰り返しになりますが、「読み」「考え」「書く」ことを通してしか感得できないのではないか。 新しい出来事や局面に出会い、答えのない問題を考えることで鍛えられていくものが、確かにある。そういう問題は、すぐれたの中にいくつも見つけることができます。 繰り返し考えることによって、自分の思考を鍛えていく。それによって、今の世の

    obsv
    obsv 2022/01/27
    資本主義vs.脱成長コミュニズム 人びとにとっての希望の社会とは 柿埜真吾インタビュー
  • 「自由」にケチをつけるな(読書メモ:『自由の命運 : 国家、社会、そして狭い回廊』) - 道徳的動物日記

    [まとめ買い] 自由の命運  国家、社会、そして狭い回廊 作者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン Amazon もう図書館に返却してしまって読み直せないので、浅い感想をメモ的に残しておく。 『自由の命運』は経済学(制度論の)であり、様々な時代における世界各国の社会の有り様や国家システムを紹介しながらどういう国では経済や行政がうまくいってどういう国ではうまくいかなかったか、ということが論じられるのだが、その議論の内容は記述的であるはずなのに規範的な趣が強い。 著者たちが強調する価値とは「自由」だ。これは「解題」で稲葉さんも書いていたのだと思うのだが、前著の『国家はなぜ衰退するのか』では様々な制度について分析した結論として「経済が反映したり社会がうまくいくためには自由が必要だ」という議論が提出されていたのに対して、『自由の命運』ではそれを前提とするところから議論が始まってい

    「自由」にケチをつけるな(読書メモ:『自由の命運 : 国家、社会、そして狭い回廊』) - 道徳的動物日記
    obsv
    obsv 2021/07/16
    “「規範の檻」は一見すると平等主義的で善いもののように聞こえるかもしれないが、平等主義的な規範がガチで徹底されている社会なんて実際には燦燦たるものだ”
  • 2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー|Less Than Useful

    2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資論」』への2020年9月29日投稿のレビュー (注) いきなり削除されていたのでAmazonカスタマーサービスに問い合わせて削除の取り消しを希望したところ、30分ほどでガイドラインに抵触云々のテンプレートの返答が帰ってきて削除の取り消しも拒否されたので、ここに再掲しておく。斉藤幸平氏が批判するAmazonのようなワンクリックで何でも手に入る資主義の極北みたいなシステムが、資主義システムを批判するへの☆一つのトップレビューを、知識のコモンズを支えるネットというプラットフォームから削除してしまうっていう状況はなかなかアイロニカルでよい。もっと酷い罵倒したレビューは消されてないのに。しかしよく考えてみれば資主義システムの欲望ドライブ+マルクス思想って、それってまんま近隣の某大国やん?ってこと

    2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー|Less Than Useful
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    obsv 2021/06/14
    このレビュー消されたのか。真っ当な批評として好感持ってたのに。何が削除基準に抵触したのかわからないな。書評と商品レビューは違うというコメもあるが、本のレビューで内容への批評以外に何を書くべきなのか。
  • 何が狂っているのか分かる「フランス現代思想史」

    フランス現代思想に詳しい文芸評論家が社会問題等を語るのを見て、稚拙に感じた人は多いのでは無いであろうか。「脱構築」な聞きなれない単語を並べて来る一方で、歴史や制度や技術に関する知識が心もとない。一方で、論理が飛躍するし、矛盾した主張もされることがある。断片的な知識を入れると、言葉の端々から連想される結論に飛びついてしまう。ほんわかしていて批判に備える殺伐感が無い。 激しい教養の欠如を感じるわけだが、一体、何を学んだらこういう風になるのか疑問だった。ラカンやドゥルーズやデリダの文章を読めば分かるのかも知れないが、根的に間違っていそうな話を延々と読むのはつらい。放置していたのだが、新書なので手軽に読める「フランス現代思想史」と言う概説書が出てきた。著者はドイツ哲学が専門で、英米系哲学の講義もして来た人で、フランス現代思想のタコ坪に入っていない専門家になる。 タイトル通りの内容ので、良く参照

    何が狂っているのか分かる「フランス現代思想史」
  • 読書記録:根拠に基づいて決める『〈効果的な利他主義〉宣言! 慈善活動への科学的アプローチ』 - ルジャンドルの読書記録

    このを読みました。 〈効果的な利他主義〉宣言! ――慈善活動への科学的アプローチ 作者:ウィリアム・マッカスキル 発売日: 2018/11/02 メディア: 単行 このは以下のブログ記事で紹介されており、実際に見ておきたいと思ったので読みました。 読書メモ:『<効果的な利他主義>宣言!:慈善活動への科学的アプローチ』 - 道徳的動物日記 道徳の問題は科学的に、定量的に考えなければいけない理由 - 道徳的動物日記 生きているとさまざまな問題が発生します。たとえば僕が、起こっていることについて悩んで友人相談したりすると、原則論に終始したり「世界は悪で、かなしいよね」みたいな結論で会話が終わることが多いです(特に男友達)。原理原則だったり世界は悪でかなしいことなんかとっくの昔からずっとわかっているし、時には原点に立ち返ることで役に立つことがあるだろうけれども、多くの場合今ここで問題に直面

    読書記録:根拠に基づいて決める『〈効果的な利他主義〉宣言! 慈善活動への科学的アプローチ』 - ルジャンドルの読書記録
  • 読書記録:『現実的な左翼に進化する』 - ルジャンドルの読書記録

    このを読みました。 現実的な左翼に進化する 進化論の現在 (シリーズ「進化論の現在」) 作者:ピーター・シンガー 発売日: 2003/02/24 メディア: 単行(ソフトカバー) こちら↓の記事で紹介されていたので、読んでみました。 s-scrap.com 前回記事(『農業は人類の原罪である』)もこのも、1999年に出た「Darwinism Today(進化論の現在)」というシリーズのなかの1冊です。ダーウィンの進化論を軸にして、いろいろ考えてみようというシリーズです。日で出たのが2003年で、ちっちゃくて地味だししかたないのですが、シリーズ全部絶版です。とはいえ、上に貼ったコラムでも書かれているように、2020年の今読んでも大変意義がある内容だったと思います。 の内容の詳細や、の内容を取り巻く現代の潮流を知るには上に貼ったコラムを読めばそれで事足りますが、自分で記録にまとめな

    読書記録:『現実的な左翼に進化する』 - ルジャンドルの読書記録
  • ピーター・シンガー「現実的な左翼に進化する」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    新潮社 2003年2月25日 初版 新潮社のシリーズ「進化論の現在」の一冊。 マルクスはバクーニンが主張した、<マルクスのいう共産主義体制は結局少数者による支配体制になるだろう>を一笑にふしたが、実際はバクーニンが正しかった。バクーニンのいうように、マルクスは人間の性についてまるでわかっていなかったのである。 マルクスは人間の性を社会的諸関係の総和であるとした。この考えにしたがえば、社会的諸関係を全面的に変えることができれば、人間の性はまるで違ったものになることになる。 左派は共産主義体制の崩壊以外にも、労働組合運動の衰退という危機にも直面している。今、組合がうるさいことをいえば、工場を閉鎖して中国から輸入するぞと脅せばいいのである。先進国と中国の労働者が連帯することなどありえない。万国の労働者は今のところ団結できる見込みがまったくないのである。 左派であるとはどういうことか? それ

    ピーター・シンガー「現実的な左翼に進化する」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)
  • 「努力して成功」もただ運がよかっただけ?能力主義の落とし穴を指摘するサンデル先生の新刊がおもしろそう

    Yuki Nakazato @ynakazat Product @MetaAI. ex @awscloud, @OneCarlyle, @BankofAmerica. @BerkeleyHaas, @UTokyo_News, @kaiseikai. Opinions are my own. アメリカでゴルフ/テニス/キャンプ/ボードしてますが腕前は聞かないで下さい Yuki Nakazato @ynakazat 結局のところ、人生は運次第でどうにでも転ぶ超unfairなものなので、人と比べず、自分でコントロールできる数少ないものを大事にして、後は運良く大きくうまくいくことが沢山起きそうな場所に身を置くくらいしかできないと思ってます。後はせめて他人にはfairに接することか。 TJO @TJO_datasci Takashi J Ozaki, PhD / Data Scientist sin

    「努力して成功」もただ運がよかっただけ?能力主義の落とし穴を指摘するサンデル先生の新刊がおもしろそう
  • 買わなくて良かった『人新世の「資本論」』 - 若年寄の遺言

    リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。 このブログで、買って読んだの感想を何度か取り上げてきました。 私がを買う時、純粋に読みたい、勉強したい、知識を仕入れたいと思って買う場合と、自分と反対の意見を批判するために買って読む場合とがあります。 以前、批判のために買ったのがこの↓2冊。 井手英策・今野晴貴・藤田孝典共著『未来の再建』 宇沢弘文著『社会的共通資』 統制を好む共産主義寄り論者の考え方を把握するという意味では一応の成果があったものの、「買わなきゃ良かった」と後悔しています。特に『未来の再建』はひどかった。 さて。 2020年、話題となった1冊があります。 斎藤幸平著『人新世の「資論」』というです。 「『資論』・・またマルクス信者の共産主義寄り論者か・・・どうせムダ金になってしまう・・・買わずに済ます方

    買わなくて良かった『人新世の「資本論」』 - 若年寄の遺言
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    obsv 2021/04/29
    “宇沢の方がまだ学者として誠実です。斎藤氏は「民主的に」「自主運営で」「コモンコモンコモン」と念仏を唱えるだけの宣教師でしかありません。”
  • 希少性を資本主義のせいにする斎藤幸平氏のアジビラ ~『人新世の「資本論」』批判 ~ - 若年寄の遺言

    リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。 高齢者人口は、2000年に約2200万人でした。 これが2019年には約3600万人。1.6倍になっています。 他方、介護保険の総費用は、2000年に3.6兆円だったものが、2018年に11.1兆円と約3倍になりました。 この費用は、介護サービスを利用する高齢者の自己負担、高齢者全員の保険料負担、現役世代の保険料負担、そして税金で賄われています。 これだけ費用が膨らむことが予め示されていたら、反対する人も多かったのではないでしょうか。なぜこれ程なし崩し的に膨らんだのでしょうか。 【見かけの負担軽減で需要増】前回のブログで、立憲民主党の枝野氏インタビューを取り上げました。枝野氏ら左派リベラルは、生活に必要なサービスを誰もが利用できるようにしよう、という主張をしています。「ベーシック

    希少性を資本主義のせいにする斎藤幸平氏のアジビラ ~『人新世の「資本論」』批判 ~ - 若年寄の遺言
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    obsv 2021/04/29
    “具体的な管理運営方法を是非聞いてみたいものです。コモンにしてみんなで民主的に管理する、というのは、何の答えにもなっていません。希少性を無視できるのであれば、問題は初めから無かったも同然です。”
  • "人は成長する"という物語を捨て去ることができますか?斎藤幸平著「人新生の資本論」 - 世界を救う読書

    私は基的に流行り物に飛びつかないようにしています。でも同じです。 流行っている物がすなわち良い物とは限らないと思いますし、「流行ってるから読んでみようって恥ずかしくない?」という、ある意味”中二病”的な心理も働いていることは否定できません(笑)。 そんな私が流行りに乗っかって読んだがこちらです。 斎藤幸平 著「人新生の資論」。 人新世の「資論」 (集英社新書) 作者:斎藤 幸平 発売日: 2020/09/17 メディア: 新書 ・・・遅っっっ! 遅いよ! 今頃読んでるの?? という鋭いツッコミが聞こえてきそうです。 書店でもベストセラーとして並べられ、メディアでもかなり取り上げられており、ご存知の方は多い書。そのせいかネット上でも多くの書評が展開されているのが散見されます。 ただ、率直に言ってどれも似たような書評ばかりで、書の最大の魅力に迫っているものがほとんどないと感じてい

    "人は成長する"という物語を捨て去ることができますか?斎藤幸平著「人新生の資本論」 - 世界を救う読書
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    obsv 2021/03/15
    “我々が真に資本主義を超克するためには「困難は乗り越えることができない。」「人は成長しない。」という事実を受け入れる強さを持つしかないのではないか。”
  • 『人新世の「資本論」』未来を構想する新しい思想の誕生! - HONZ

    この興奮が醒めないうちに書いておきたい。凄いを読んだ。 マルクスを現代にアップデートさせた研究で世界的な注目を集める俊英・斎藤幸平の『人新世の「資論」』である。 新書の世界には何年かに一度、画期的なが現れる。 物事の見方に新しい方向から光を当てたり、これまでにないアイデアを提示したりして、読者の世界の見え方を一変させてしまうようなだ。ここでは細かく挙げないが、好きであれば何冊も書名が思い浮かぶだろう。そうしたは、時に時代の空気をとらえたベストセラーとなり、あるいは長きにわたって読み継がれる名著となる。 書もそうした系譜に連なる一冊だ。今後、「新書大賞」や「紀伊国屋じんぶん大賞」などでは、間違いなく上位にランクインするだろう。のっけから「大風呂敷を広げている」と思われるだろうか?だが、書の内容を知れば、誰もが納得せざるを得ない。このにはそれほど重要なことが書かれている。 近

    『人新世の「資本論」』未来を構想する新しい思想の誕生! - HONZ
  • ヒース&ポター「『反逆の神話』刊行15周年インタビュー」(2019年5月9日)

    アンドリューとぼくの共著で出した『反逆の神話』でおもしろいのは,スペインでベストセラーになったことだ.この前,刊行15周年で Manuel Mañero にインタビューを受けた:”15 años después, la contracultura gira a la derecha.” 省略なし全文の英語版をこちらに掲載しよう(質問には著者両名が答えた.) [Joseph Health, “The Rebel Sell at 15,” In Due Course, May 9, 2019] アンドリューとぼくの共著で出した『反逆の神話』でおもしろいのは,スペインでベストセラーになったことだ.この前,刊行15周年で Manuel Mañero にインタビューを受けた:”15 años después, la contracultura gira a la derecha.” 省略なし全文の英

    ヒース&ポター「『反逆の神話』刊行15周年インタビュー」(2019年5月9日)
    obsv
    obsv 2020/09/13
    “左派は総じてこの抵抗を「人間本性」が想像以上に変化させがたい証拠だとは解釈せずに,裏切り者や敵,あるいは社会の変化に抵抗する悪者がいる帰結なんだと解釈してしまうんです.”