民主党の国会議員の多くが、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出事件に対して、人ごとのような態度をとっている。各議員グループが11日、定例会合を開いたが、流出事件には触れず、一部で馬淵澄夫国土交通相の擁護論が出た程度。政権を揺るがす大きな事態に直面すると貝のように口を閉ざす、民主党議員の体質は変わっていないようだ。(榊原智) 定例会を開いたのは前原誠司外相、野田佳彦財務相、鳩山由紀夫前首相、樽床伸二前国対委員長の4グループだが、流出事件は野田グループ以外では出なかったも同然だった。 なぜ話題にしないのか−。前原グループの議員は「前原さんも仙谷(由人官房長官)さんも欠席した。質問する相手がいないので、誰も触れなかった」。樽床グループ幹部はいう。「マスコミの餌食になるような、もめ事を増幅する話はしない」 自民党政権時代に、同党の派閥総会が、議員の声を発信する場として機能してきたのとは対