崩壊した官邸のメディアコントロール おごりからたるんだ安倍政権には止められないメディアの反転攻勢 逢坂巌 駒澤大学准教授 「一強」転じて、にわかに危機へ 東京都議選の大敗と内閣支持率の急落で、少し前まで「一強」を謳歌していた安倍晋三政権が、にわかに危機に陥っている。なぜか? 筆者の見立ては、首相官邸のメディアコントロールの崩壊こそが、最大の原因である。 都議選の大敗は今更、言うまでもない。そこで本稿ではまず、内閣支持率を確認することからはじめたい。 7月10日現在のマスメディア各社による調査をみると、朝日新聞が支持33%・不支持47%(7月8〜9日調査)、読売新聞が支持36%・不支持52%(7〜9日調査)、NHKが支持35%・不支持48%(7〜9日調査)と、5月,、6月と比べると10ポイント近くの急落ぶりである。 どうして不支持が増えたのか。NHKの世論調査では、「不支持」と答えた人に、そ