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ブックマーク / politas.jp (22)

  • 沖縄から貧困がなくならない、本当の、本当の理由(樋口耕太郎)|ポリタス 『沖縄県知事選2018』から考える

    アンパンとメロンパン 沖縄知事選挙を控えて、命題を提起しようと思う。 民意と選挙は似て非なる概念である。 民意と選挙は似て非なる概念である。 消費者がおにぎりをべたいと思って買い物に出かけても、店頭にアンパンとメロンパンしかなければ、どちらかを買う以外に空腹を満たす方法はない。どちらかを選んだからといって、それが消費者の望み(民意)だとは言えない。 沖縄では、2010年の知事選挙でアンパンが選ばれた。知事はアンパンが沖縄の民意だとして県内経済をアンパンで埋め尽くした。 Photo by 岩室佳 2014年の知事選挙では、一転してメロンパンが選ばれた。メロンパンを主張した知事はそれからほぼ4年間、メロンパン対策に県政の大半の資源を投下した。 Photo by 岩室佳 沖縄選挙区の特徴であり問題点は、常に「経済発展」か「基地撤去」か、という二者択一に論点が矮小化されてしまうことだ。選挙の

    沖縄から貧困がなくならない、本当の、本当の理由(樋口耕太郎)|ポリタス 『沖縄県知事選2018』から考える
  • 「巨大地方都市・東京」をリアルに変革できるのは誰か!(冨山和彦)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    ハイライト Photo by NASA Goddard Space Flight Center Follow, Kyle Hasegawa (CC BY 2.0) かつて産業再生機構という政府の政策遂行機関のリーダーをつとめ、石原都知事時代に都政に関わるいくつかの深刻な問題解決に関わった私自身の体験も踏まえ、今回の新都知事の政策課題とそれをクリアするリアルな能力要件について考えてみたい。 (1)政策課題 まず政策課題だが、当然ながら世界有数の大都市の「行政府の長」である都知事が抱える課題領域は非常に広い。だが、そうした様々な課題群の中で最も重要かつ深刻な課題群を集約していくと、東京が我が国全体の「人口のブラックホール」となっている現状、その先にほぼ間違いなくやってくる深刻な事態、不都合な未来をどうか回避するかに収斂していく。 東京はグローバル都市としては繁栄していない 都知事選において、東

    「巨大地方都市・東京」をリアルに変革できるのは誰か!(冨山和彦)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 「訴える選挙」ではなく「聞く選挙」――都民はそれを支持しうるだろうか(高橋健太郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    今回の都知事選は増田寛也、鳥越俊太郎、小池百合子の三候補の争いになることがすでに見えている。その点では、舛添要一、宇都宮健児、細川護熙の三候補の争いとなった2014年の都知事選と似た様相にも見えるが、よく考えてみると、ギョッとすることに気がつく。2014年には僕は宇都宮健児を支持して、選挙運動のお手伝いなどもしたが、今にして思えば、それはずっと気楽な選挙だった。悪くても舛添さんだったからだ。舛添候補は立憲主義遵守の立場だったし、脱原発依存の立場でもあった。その意味では、2014年の都知事選は広い意味で、「リベラルの中での三択」と言っても良かった。 対して、今回、都民が迫られている三択ははるかに極端なものだ。小池百合子は自民党内でもゴリゴリの右派として知られ、日会議国会議員懇談会の副会長で、在特会や幸福実現党との関係もあるとされる。そして何よりも、立憲主義や基的人権の否定に向かう自民党

    「訴える選挙」ではなく「聞く選挙」――都民はそれを支持しうるだろうか(高橋健太郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • なぜ都知事選は繰り返すのか――小池の影法師・猪瀬直樹の研究(水道橋博士)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    この原稿を書いているのは7月20日の夜です。 都知事選告示から1週間が経ちました。 この日、ボクは、CBCテレビ「ゴゴスマ」に生出演しました。地上波でも連日、都知事選特集が続いています。番前の打ち合わせで、ボクはスタッフに訊きました。 「先日のニコニコ生放送、ご覧になりました?」 残念ながら出演者を含めてスタッフも誰も見ていませんでした。 「どういう内容だったんですか?」 「いや、深夜に放送していたんですが、元都知事の猪瀬直樹さんが放送中にほろ酔いで乱入して、東京都の闇について赤裸々に語ったんです」 「ああ、あの猪瀬さんがネットのインタビューで語ったやつですね」 そのことは流石にテレビのスタッフさんも皆さん知っています。 「自民党の都連の幹事長を名指しして『東京のガン』とまで言い切っています。元知事の証言だし、都の行政機能そのものの話でもあるので、今回の選挙の争点にもなるんじゃないですか

    なぜ都知事選は繰り返すのか――小池の影法師・猪瀬直樹の研究(水道橋博士)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 「反対」では勝てないイメージ選挙(佐藤卓己)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    東京都民ではない私が都知事選の報道をチェックしている理由は何か――。改憲をめぐる与野党対決という「民共」フレームで見ているからでも、日の首都が心配だからでもない。メディア政治の興味深い事例として、その帰結を見つめている。 都知事選はアメリカ大統領選に似ている メディア報道から受ける有力候補のイメージでは、元総務相の増田寛也が元国務長官ヒラリー・クリントンに、1940年生まれのシルバー左派・鳥越俊太郎が1941年生まれの社会主義者バーニー・サンダースに、自民党都連に造反した元防衛相・小池百合子が共和党主流派と対立するドナルド・トランプにダブる。同じ女性候補としてクリントンと小池を重ねる向きもあるだろうが、それはやや政治的センスに欠ける。「ウォール街の候補」とも呼ばれるクリントンは、自公などが推す増田と同じく現状維持の体制派である。一方、都議会の冒頭解散を公約する小池の造反モードは、トランプ

    「反対」では勝てないイメージ選挙(佐藤卓己)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 【都知事選2016】小池ゆりこ候補 街頭演説第一声 書き起こし(ポリタス編集部)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    7月14日に池袋駅西口で行われた小池ゆりこ候補の街頭演説第一声の書き起こしです。 ニコニコ生放送:http://live.nicovideo.jp/watch/lv269523077#26:00 皆さん、おはようございます。出陣のときがやってまいりました。日、東京都知事選挙の候補者として立候補しております小池ゆりこでございます。よろしくお願いを申し上げます。立候補にともないまして、これまで参議院、衆議院、24年間働いてまいりました国政を離れることになり、まさしく1人の人間として、組織、そして何らかのしがらみ、それを超えて、この都知事選にこれから邁進をしていくところでございます。よろしくお願いを申し上げます。 4年間に3人の知事が変わり、さまざまな問題が起こりました。こういった都政で、そのまま続いて、2020年東京オリンピック・パラリンピックを迎えるわけでありますが、ここはいまだからこそ、

    【都知事選2016】小池ゆりこ候補 街頭演説第一声 書き起こし(ポリタス編集部)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 若い頃、選挙に行かなかったことを後悔する(平野啓一郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    若者に、選挙に行けと促す中高年の少なからぬ人たちが――私も含めて――自分の過去は棚に上げている。大学生だった頃、お前たちは、言うほどそんなに投票所に足を運んでいたのか? 正直に告白すると、私は、否、だった。 理由は非常にお粗末なもので、面倒くさいだとか、無関心だとか、政治不信、政治家不信など、大体、そんなようなことだった。私だけでなく、選挙に毎回行ってるなどという友人は、今の言葉で言うなら「意識高い」系の、どちらかというと変わり者扱いだった。 私はそのことを反省しつつ、どうしてそうなのだろうかと、最近よく考える。言いわけのためではなく、その背景にある問題を放置していては、結局、いつまで経っても、若者の投票率は上がらないからである。 そもそも、東京にいると、国会議事堂も目に見えて存在しており、テレビや新聞を通じて知る政治というものを、身近に感じる機会もあるが、十代まで地方で育つと、なかなかそ

    若い頃、選挙に行かなかったことを後悔する(平野啓一郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 投票権を失って感じたこと(國分功一郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    このことをここに書くべきかどうかすこし悩みました。しかし、下に記す理由からやはりきちんと書いておくべきだと判断しました。 10日ほど前に知ったことです。 私は7月10日の参院選で投票できません。投票の権利を持っていません。 投票用紙が来ないのでおかしいなと思って調べたところ、この驚きの事実が判明しました。 私は昨年2015年3月末から1年間、研究のためにイギリスに滞在しました。当然のことながら、出発前の3月末に、住んでいた東京都小平市からの転出の手続きをしました。つまり、1年間、小平市には僕の住民票はなかったことになります。そして今年の3月31日に帰国しました。すぐに転入の手続きを取りました。なお、1年間不在でしたが、この間の分も住民税は支払っています。 海外にいても手続きをすれば国政選挙で投票できることは知っていました。ですが、イギリスにいる間に国政選挙はなかったのでその手続きの必要はな

    投票権を失って感じたこと(國分功一郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 僕は、明日初めて投票にいく(Yamato 20歳)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    僕は、明日初めて投票にいく。自分の投じた一票で、日が良くなると信じて。 でも実のところ、僕は未だになにに投票しようとしているのか、投票でなにができるのかわかっていない。自分の一票が、日のための一票になるようにと考えているけれど、なにに投票したらいいかわからない。候補者の名前と党名を書いて、そこを支持する、そこに日を託すために投票するのだとして、でも僕は一体なにを託しているのだろう。 大人は、僕らは意志表示をしないといけない、じゃないと生活が危ない、だから投票にいけと言う。だけど、いままで生きてきて生活が危ないと感じたことなんてないし、「戦争」なんてゲームの中の話、「右翼」「左翼」なんてまとめサイトに載っているネタの一つに過ぎない。 でも、危機感がないわけじゃない。 親の世代が作ってくれた恩恵を受けまくって、世界で一番と言えるくらい恵まれた生活をしている。平和ボケと言われるほど平和を享

    僕は、明日初めて投票にいく(Yamato 20歳)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • どん引きしている人へ――最低限の選挙マニュアル(舩橋淳)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    なぜ候補者はあんなに騒がしくがなり立てるんだろう? なぜ対立候補をあんなに腐すんだろう? なぜあんな表面的な言葉ばかりを並べるんだろう? そんな思いでテレビやネット上の選挙報道から距離を置いている人も多いのではないでしょうか。 候補者同士のせめぎ合いの情報収集を日々やっている人でないかぎり、ぱっと見で選挙報道や演説を眼にすると、この不自然なまでの「がなり立て」にどん引きしてしまう人も少なくないのでしょう。 そんな人が選挙をどう考えたらいいのか、簡潔に書きたいと思います。 1)まず世界的状況から 先日、イギリスではEUからの離脱が国民投票で過半数の賛成により、決定しました。 その最大の要因の一つは、EUの域外から流入し、税を納めることなくイギリスの生活保護などの福祉や教育のサービスを受ける移民・難民の問題でした。 イスラエルでは、パレスチナへの強行な爆撃を続ける右派のネタニヤフ首相が政権を握

    どん引きしている人へ――最低限の選挙マニュアル(舩橋淳)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2016/07/10
    どん引きしている人へ——最低限の選挙マニュアル(舩橋淳)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 日本の「18歳選挙権」は高校改革からやり直せ(finalvent)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    クリントンの娘さんは18歳から政治活動を始めた 今回の第24回参議院議員通常選挙には、与野党が掲げる各種の争点がある。が、そうした枠組みから少し離れると、もう1つ重大な話題がある。「18歳選挙権」の実現である。都民については都知事選でも同じだ。これから日で始まる「18歳選挙権」について、現在18歳と19歳の人たち、また、すでに20歳以上の成人はどのように考えたらよいだろうか。 そう問いかけられると、ありきたりの答えがすぐに頭に浮かんでしまう。 ①正しい政治意識を持て ②せめて棄権はするな など。しかし、ブロガーとしては、少し違った話をしてみたい。 切り出しは、チェルシーさんだ。これから初の女性米国大統領になる(はずの)ヒラリー・ローダム・クリントンの一人娘である。1980年生まれ、現在36歳。結婚したのは30歳。お相手のメツビンスキー君(ユダヤ人)は2歳年上。二人とも晩婚とも言えないがそ

    日本の「18歳選挙権」は高校改革からやり直せ(finalvent)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2016/07/09
    日本の「18歳選挙権」は高校改革からやり直せ(finalvent)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 公約に「書かれていないこと」を読む(飯田泰之)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    近年の国政選挙において、経済問題への関心は高い。 NHKによる世論調査(2016年6月24日〜26日調査)によると、今回の参議院選挙で最も重視したい政策課題として、社会保障(29%)、経済政策(15%)、消費税(15%)がトップ3を占めている。この傾向は若年層に限定しても変わらない。昨年行われた18歳・19歳を対象にした調査(NHK, 2015年11月~12月調査)の、「政治に関するテーマのうち興味があるもの」を選ぶ質問においても雇用・労働環境(52.6%)、社会保障(48.8%)、景気対策(47.6%)との回答が抜きんでている。 これをうけて、公約集や党首討論、立会演説会においても経済問題への言及が中心となっている。その意味で今次の参院選も、2012年衆議院総選挙以来続く、アベノミクス選挙と言えるだろう。与党は株価と為替、さらに雇用の改善を前面に押し出し、一方で野党はその恩恵が広く波及し

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  • 参政権は死なないための武器である(フミコフミオ)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    普通の会社員から見た選挙 「夢も希望もある若者が嫌い」 「子供もいないので自分の生を終えたあとにこの国がどうなろうと関係ない」 「アベノミクスの成否よりも自分で使える金額の増減が大事」 「毎日仕事に追われている」 「政治への期待を失っているだけの42歳サラリーマン」 それが僕だ。 最初に僕のスタンスを明らかにしておこう。憲法は国民のものなので自由に変えればいいけれど、今より変えやすいものに変更すること、憲法改正を選挙の争点にせずに事後民意を得たとして変更に着手するような政治にはノーだ。今日は僭越ながら普通のサラリーマンの立場から2016年夏の参議院選挙への期待と、選挙に参加した方がいい理由についてお話させていただく。 今回の参院選が、派手な盛り上がりを見せないのはほぼ間違いない まず、申し上げたいのは今回の参院選が、先日行われたイギリスのEU離脱を問う国民投票のような派手な盛り上がりを見せ

    参政権は死なないための武器である(フミコフミオ)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • ぼくは民進党に入れる(東浩紀)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    参院選で、だれに、あるいはどこに入れるか。いままでぼくはこういうとき、いつも言葉を濁してきた。そして棄権を匂わせてきた。だから今回も同じだろうと思うかもしれない。けれどもじつは今回は違う。ぼくは棄権はしない。白票も入れない。ぼくは民進党に入れる。選挙区も比例区も民進党に入れる。 なぜか。理由は消去法だが、はっきりしている。まずぼくは、数年で消える政党にはほとほとうんざりしている。ぼくは1971年生まれだ。1990年代に選挙権を手に入れたぼくの世代は、有権者になって以降、ずっと政界再編でずっと新党ブームを経験している。もういいかげんにしてくれという気持ちがある。だから、最低でも10年前から存在し、そして10年後にも残っているであろう政党に投票したいと思う。この時点で、自民党、公明党、共産党、そして(名前は変わってしまったが)民進党しか残らない。社民党は、あまりに党勢が衰えているので、申し訳な

    ぼくは民進党に入れる(東浩紀)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 憲法24条を「女だけの問題」にしてはいけない(深澤真紀)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    自民党や日会議が、憲法改正のとば口のひとつとして憲法24条に目をつけたのは、敵ながらうまいところをついていると思う。 まず24条は、9条に比べて話題になりにくいのだ。 たとえばYahoo!ニュースで「憲法24条」を検索すると、ニュースの数は28。一方の「憲法9条」は389で、14倍近い差がある(ともに2016年6月30日現在)。そもそも9条の内容を知らない人はいないだろうが、24条の内容を知っている人は多くないだろう。 家族と婚姻の基原則である24条改正の、どこが問題か では家族と婚姻の基原則である24条改正の、どこが問題か。現行憲法を見てみよう。 第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基として、相互の協力により、維持されなければならない。 2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、

    憲法24条を「女だけの問題」にしてはいけない(深澤真紀)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか
  • 政治が社会問題を解決できない理由(樋口耕太郎)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    政治は人を幸せにするか? 政治は何のためにあるのだろう? 私は人々の幸福のためにあると思っていたのだが、少なくとも各派の選挙公約を見る限りそうではないらしい。 例えば、保守系の公約によると、アベノミクスによって雇用を創出するという、デフレを脱却するという、GDP600兆円を実現するという、待機児童を解消するという、経済成長の成果を子育て介護などの福祉分野に再分配するという。それらのすべては価値あることだと思うのだが、しかし、それらがどのようにして私たちを幸福にするかという因果関係はまったく説明されていない。「公約が実現すれば国民は幸せになる」という前提に立っているのは理解できるのだが、この前提は当に正しいのだろうか? Photo by Nao iizuka (CC BY 2.0) 公約が100%実現したら、私たちは幸せになるのだろうか? 反論される方は、少し立ち止まって考え直してみてほし

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  • まだ絶望していないあなたへ(森達也)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    子供のころから、ネガティブ思考においては誰にも負けない自信がある。 例えば夏休み初日の朝は目が覚めると同時に、「今日から夏休みが始まるのではなく最後の日なのだ」と思うようにしていた。つまり冷たい水を自分に浴びせるのだ。運動会のときには、短距離走で転んでビリになる自分を想像しながら走る順番を待っていた。大学受験の際にも、志望校はすべて落ちる状況をイメージしていた。できるだけ具体的に。そしてそのときの自分の心情を想像した。もしも「合格するかも」などの気持ちが湧いてきたら、あわてて必死に打ち消した。そんなことはありえない。すべては裏目に出る。好転することなど万に一つもない。絶対に思うようには進まない。 なぜなら最悪の事態をイメージしておけば、実際に最悪の事態になったときのショックが小さい。そしてもしも最悪の事態を回避することができたのなら、その喜びと安堵は、期待していない分だけとても大きくなる。

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  • 参院選でどこに投票したらいいか迷う人へ(小熊英二)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    参院選で、どこに投票したらいいか迷う人へ。 いまの日は政党が多すぎて、どこに投票したらいいか迷うと思う。政党が二つで、政策の違いがはっきりしていればわかりやすいのだが、そうなっていない。 それでも今回の選挙は、比較的わかりやすくなった。政党が乱立しても、有権者が迷って投票率が下がるばかりで、いいことがないと政治家の方もわかったからだ。 今回は、「与党連合」と「野党連合」の二大陣営に分かれた。「与党連合」は自民党と公明党で、いま政権を担当している。「野党連合」は民進党と共産党が中心で、いま政権を批判している。ほかにも小さな政党がいろいろあり、それぞれがんばっているのだが、政党に詳しくない人は、とりあえず「二大陣営がある」とだけ覚えておけば間に合うと思う。 それでは、与党連合と野党連合は、どこが違うのか。 これは私の意見だが、経済や社会保障については、大きな違いは出しにくい。たしかに、各政党

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  • 「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ(出口治明)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    この記事はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。 このテキストの印刷用PDFはこちらからダウンロードできます。 自分のアタマで考えよう 最近の日お金がある人とない人の格差が大きくなり、若者や子どもの貧困が問題になっています。現在貧困に近い生活を送っている人は、どうやってそこから抜け出せばいいのでしょうか。 私が代表を務めるライフネット生命には、高校を中退して働いていたものの、通信制の高校に通い単位を取得、その後、一念発起して大学試験を受けて大学に入り、入社した社員がいます。 しかし、身も蓋もない言い方ですが「受けた教育のレベルが低いと、いい仕事につける確率はぐんと低くなる」というデータがあるのも事実(労働政策研究・研究機構「ユースフル労働統計2015」)。中卒と大卒とでは、生涯賃金に1億円近い差があるのです。 この国には小学校にも行けていない子ど

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  • 日本の「選択」はどうして「困難」なのか?(冷泉彰彦)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

    選挙のたびに、日の「議会制民主主義」には「選択が難しい構造」があると思います。それは、外交・軍事政策の対立軸が、経済・財政政策の対立軸よりも前面に出てしまうという問題です。 特に今回の参院選では、民進、共産、社民、生活の4野党が部分的な選挙協力をしていることで、この問題が「見える形」になっています。ですが、これは今に始まったことではありません。 もちろん、外交・軍事という問題は重要です。ですが、前世紀の状況とは違って、個々の有権者にとって経済・財政政策の重要性は非常に高まっているわけです。 Photo by kevincure (CC BY 2.0) 現在の雇用に満足している人は少ないですし、引退世代は年金の先行きに不安を持ち、子育て世代は眼前の保育や教育費の問題だけでなく自分たちの子どもが大人になった時の日の産業や財政を心配する、その切迫感は大きなものがあります。 慢性的な「デフレ構

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