救急車の出動件数は今後20年間増え続け、搬送される人の6割をお年寄りが占める――。総務省消防庁が初めてまとめた救急搬送の将来予測で、高齢化が出動件数を押し上げていくことが浮き彫りになった。2030年は約608万件(約554万人)と試算。09年より2割近く増え、国民の20人に1人が救急車を利用すると見込む。病院に収容されるまでの時間は今まで以上に長くなる恐れがあり、救命率の低下が懸念される。 消防庁によると、09年の救急車の出動は約512万件で、搬送人員は約468万人。国民の27人に1人が救急車のお世話になった計算だ。搬送された人を年代別でみると、65歳以上が最も多く約230万人(49%)、次いで成人が約191万人(41%)、乳幼児が約24万人(5%)となっている。 消防庁は今月、将来の救急出動予測をまとめた。07〜09年の3年間における5歳ごとの救急搬送率を出し、将来の人口推計にあては