印刷 戸籍上は男性だが性同一性障害があり、手術で女性の体になった受刑者が、「男性用施設に収容されているのは人権侵害」として、兵庫県弁護士会は24日、女性用施設に移すよう法務省などに勧告したと発表した。性別適合手術を受けた収容者の移送を求める勧告は全国初という。 弁護士会によると、2007年から兵庫県の加古川刑務所に収容されている受刑者(39)は、成人前から自分を女性と自覚し、20歳前後にシンガポールで性別適合手術を受けた。戸籍の性別は家庭裁判所の審判で変えられるが、手続きの煩雑さなどから変更しないまま刑務所に入ったという。 刑事収容施設の男女別は戸籍で判断されている。刑務所側は女性看守を配置するなどの配慮をしているが、頭髪は丸刈りで女性用下着を着けられず、入浴時は男性刑務官が監視しているという。白承豪(はく・しょうごう)弁護士は「収容施設の区別は、変更のハードルの高い戸籍でなく、収容