ソマリアの東約900キロの海上で今月10日、東京に本社がある船舶輸送会社が管理する貨物船マルレイナ号(パナマ船籍、約3万7千トン)が、不審船から約20発の銃弾を受け、フィリピン人の船長が右足を撃たれていたことがわかった。現場は各国の軍艦や海上自衛隊の護衛艦が警護対象としているアデン湾の外側。専門家は「海賊活動が広域化している」と指摘している。 国土交通省によると、マ号の乗組員はフィリピン人22人で、日本人はいなかった。10日午前8時45分(日本時間午後1時45分)ごろ、インドで積み荷を下ろして南アフリカに向かう途中、不審船から約20発の銃撃を受け、船長が右足に軽傷を負った。 08年に「日本関係船舶」(日本船籍または日本の会社が運航している船舶)が世界で海賊被害にあったのは12件。うち3件はアデン湾で船体に数発の銃弾を受けたが、けが人は出ていない。マ号の運航は欧州の会社が担い、管理のみを