児童養護施設で暮らす中学生が学習塾に通う費用を国と自治体で全額負担する制度が今年度から始まっている。施設で暮らす中学生の中学卒業時の就職率は8.3%(06年度)と、中学生全体の10倍以上。塾通いを支援することで、高校進学率を伸ばし、その後の自立を促すのが狙いだ。 厚生労働省によると、07年10月現在、全国564の児童養護施設で3万846人が暮らす。うち、両親がともにいない子は1割弱。6割は親はいるが虐待を受けた子だ。 高校に進学しないときは、自立援助ホームに移るなどして引き続き生活指導や就労支援を受けられる場合もある。ただ、定員が十分ではなく、中学卒業と同時に自活しなければならない子も多い。 しかし、就職しても、虐待の影響で精神的に不安定になったり、人間関係につまずいたりと自立の道は険しいという。全国児童養護施設協議会(全養協)の調べでは、04年3月に中学を卒業して就職した子の約3割