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ブックマーク / satoshi.blogs.com (27)

  • NTTの株価総額が世界一だった時に、Microsoftに転職した理由

    「6年勤めたNTT退職しました」という記事が、注目を浴びているようですが、この筆者が NTT を辞めた理由が、私が32年前(1986年)に NTT を辞めた理由とあまり変わらないのに、少々驚きました。 私が NTT を辞めた件に関しては、これまで色々なところで話しては来たのですが、まとまって文章にしたことがなかったので、これを機会に書くことにしました。普段ならメルマガ(週刊 Life is beautiful)の読者限定で書くところですが、今回だけは、出来るだけ多くの人に読んで欲しいので、ブログ記事として公開します。 当時、NTTは電電公社から民営化したばかりで、1985年に入社した私は、NTTとしては第1期生でした。大学は、早稲田の理工学部電子通信学科で、修士課程まで行きました(当時は、情報学科はまだ独立しておらず、電子通信学科がソフトウェアとハードウェアの両方をカバーしていました)。

  • 米マイクロソフト本社で目の当たりにしたビル・ゲイツの決断力

    6月1日発売の『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』には、いくつかマイクロソフト時代のエピソードが書かれていますが、これもその一つです。この「シカゴ対カイロ」の社内抗争はマイクロソフト時代の思い出の中でも、筆頭のものです。 ◇ ◇ ◇ ビル・ゲイツの意思決定は光速 ビル・ゲイツが仕事で重要視していたのは、"光速"と言っても過言ではない迅速な意思決定です。これについては、どのくらい迅速だったかを象徴するエピソードを紹介します。 あれは忘れもしない1995年1月、シアトルの冬らしい小雨の降る昼下がりのことでした。米マイクロソフト社内にはOSの開発に関する派閥争いがありました(OSとはマイクロソフトで言うWindows Vistaだったり、アップルでいうところのOS Xなどのパソコンやスマホを動かすための基ソフトのこと)。"カイロ"というグループと"シカゴ"という

  • 32歳でビル・ゲイツに直接プレゼンした話~「こんなきつい仕事いつまでも続けられない」と思っている全ての人へ

    先に紹介した『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』(文響社)の「まえがき」を公開します。 ◇ ◇ ◇ 今日も残業だ 仕事が終わらない また先送りしてしまった やりたいことが全然できない もっと効率的な方法があるんじゃないか そんなことで、日々悩んでいるみなさんに朗報です。 このは、「好きなことに思いっきり向き合う」ための時間術のです。もし今、時間に縛られて、人生を楽しめていない、と感じている方はぜひ、このを最後まで読んでみてください。明日の朝起きたら、今までのあなたとはまったく違う新しい人生が始まります。 みなさんはじめまして。このの著者、中島聡と申します。私はプログラマーとして、米マイクロソフト社でWindows95の開発に携わりました。パソコンに詳しくない方のためにわかりやすくお伝えしますと、「ドラッグ&ドロップ」を世界に普及させ、「右クリック」「

  • 「締め切りは絶対に守るもの」と考えると世界が変わる

    2011年にインプレスジャパンから「エンジニアとしての生き方」というを出版して以来、書籍よりは「メルマガ(週刊 Life is Beautiful)」の執筆を優先して来た私ですが、この度、とある編集者に説得されて「時間術」のを出版することになりました。 『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』(文響社) 「時間術」とは言っても、巷に良くある「どうやって時間を効率よく使うか」という話ではなく、実際の仕事の現場において「常に締め切り通りに仕事を終える人」になるための、私なりの「仕事に対する取り組み方」を解説した仕事術のです。 「いつも締め切りに追われている」「締め切り間際にならないと気で仕事ができない」という悩みを抱える人たちには是非とも読んでいただきたいです。締め切りを守れるかどうかは、締め切り間際のラストスパートで決まるのではなく、もっと前の段階での、「

  • 放送と通信の壁に穴を開けたパナソニック

    パナソニックが「テレビ放送と同時にネットから取得した情報を画面には表示しない」という放送業界と家電業界との紳士協定を破ったとして、新型テレビのCM放送を拒否されているそうだ(参照)。 一見何気ないニュースだが、これは既得権益を守るためのルールでガチガチに固められてイノベーションが起こりにくくなっている日としては、非常に画期的なことである。 日テレビ放送には、BML(Broadcasting Markup Language)という仕様で文字を送る仕組みがついているが、これをわざわざ HTML にしなかった理由は、放送と通信の間に人為的な垣根をもうけて放送局の既得権益を維持しようという試み以外の何物でもなかった。 今回問題となっている「テレビ放送と同時にネットから取得した情報を画面には表示しない」という紳士協定も、テレビ放送にネットから取得してきたTweetや広告を重ねて表示されては、付

  • Andy Rubin が Android の開発責任者から降りた件について

    2月の終わりにスペインで開かれた「Mobile World Congress 2013」で、「Tizen」「Firefox OS」という二つのモバイルOSの発表が注目を集めたが、これらに絡めて「モバイルOSの動向」に関しての記事を執筆して欲しいというリクエストが複数のところから来た。 それはそれで書いているのだが、私がもっと注目しているは、Andy RubinがAndroidの開発責任者のポジションから外れた件だ。 Googleのことなので多少違う意味合いがあるのかも知れないが、これがMicrosoftであれば99.9%降格人事だ。 合議制でものが決まる日とは違い、米国の場合、「何をどんな目的で作るか」という product vision に関しては開発責任者が全責任を追う。そのため、責任者が変われば、作るものも大きく変わってしまう。 優秀な人であればあるほど、上からあれこれと指示される

  • フジテレビ vs. 素人、どっちが面白い?

    私の Facebook のタイムラインに二つのビデオがシェアされて来た。 一つ目はフジテレビの実験的作品、15秒シアター「霊に好かれる男」。 二つ目は、"Paint" というユーザー名で Youtube に作品を投稿している青年の作品で、タイトルは「After Ever After」。ディズニー映画のパロディだ。 単純に比較できるものではないが、三浦友和を役者として登場させたテレビ局がそれなりの予算をかけて作った作品が、一般人が作った作品と競わなければならない時代になった、というのは紛れもない事実。

  • 日本の大学生はなぜ勉強しないのか

    今週号のメルマガ「週刊 Life is Beautiful」に向けて、「日の大学生はなぜ勉強しないのか」という文章を書いたのだが、特に冒頭の部分はぜひとも多くの人に読んで欲しいので、引用する。 NHKニュースで「日の大学生が予習復習のために費やす勉強時間は一日平均39分」というデータが発表されていました。まさに「ぬるま湯大学」です。私が大学(早稲田大学)に通っていた時も似たような状況でしたがが、これが日の国際競争力をなくしている原因の一つであることをより多くの人が強く認識すべきだとつくづく思います。 私は米国の大学(University Washington)でも勉強した経験がありますが、日の大学とは全く異なっていました。まず第一に、予習をしていかなければ全く授業について行けません。授業にもよりますが、90分の授業の準備に1〜3時間の予習が必要です。 例えばビジネス戦略の授業の場合

  • これから「有料メルマガ」を書く人のために

    日経 Trendy に「「有料メルマガ」はなぜ高くても“売れる”のか?」という記事が載ったが、そこに掲載されたまぐまぐのホームページにたまたま私の写真が掲載されていることをまぐまぐの人が知らせてくれた。 この記事に刺激を受けて、「自分でもメルマガを書こう」と考える人もいると思うので、私自身が「週刊 Life is beautiful」 を16ヶ月間執筆して来て学んだことを簡単にまとめておく。 1. メルマガは単にブログを有料化したものではない これが最も重要な点であり、これを甘く見ていると痛い目にあう。メルマガを書くことは「執筆業」に従事することに他ならない。読者からお金をもらって書いていることをひとときでも忘れてはいけない。Google AdsenseAmazon Affiliate で小銭稼ぎをしているのとは大違いだ。読者が1人でもついた瞬間にあなたは「プロのもの書き」になるのだ

    これから「有料メルマガ」を書く人のために
  • 各種ブラウザーで Java (applet) を無効にする方法

    こちら(米国)では、見つかった Javaセキュリティホール(+それを利用した実際のアタック)が大問題になり、米国政府が「ただちに Java を無効にするように」と声明を出し(参照)、全国ニュースでも大きく取り上げられている。 実質的な危険があるのは Java applet なのだが、JavaJava applet の違いの分からない報道機関は、大々的に「Java が危険」と報道しており、Sun Microsystems を買収して Java を入手した Oracle にとっては大きなブランドイメージの損失だ。Oracle は火曜日には56カ所のセキュリティホールを塞いだパッチを提供するそうだが、そんなパッチでは、今回作られてしまった「Java は危ない」というイメージは拭えない。 どのみち、Java applet にはほとんど価値がないので、これを機会に無効にする人も多いようだ(

    各種ブラウザーで Java (applet) を無効にする方法
  • Ryan Dahl の面接試験:csv データのオブジェクト配列への変換

    メルマガで連載中の「Node.js 入門」を書いていて、とても良い JavaScript の演習問題を思いついたので、久しぶりに「頭の柔軟体操シリーズ」の一環としてここで公開することにした。モダンな JavaScript の使い方の良い練習になると思うので、ぜひともチャレンジしていただきたい。 【問題】 http://ichart.finance.yahoo.com/table.csv?s=AAPL&a=11&b=1&c=2007&d=12&e=1&f=2012&g=m&ignore=.csv 上のURLにアクセスすると、株価データが CSV フォーマットで返って来ますが、これを JavaScript で扱いやすいオブジェクトの配列に変更するプログラムを書いてください。JavaScript は Node.js の最新バージョンに使われているものを前提としてください(←ヒント)。 ちなみに、

  • 丸投げ「エンジニアもどき」はGitHubの夢を見るか?

    Facebook のタイムラインに、Wireless Wire News に「海外べて行けるエンジニアべられないエンジニア」という記事が流れて来た。 簡単に言うと、外でもべて行ける人は「自分で手を動かして何かできる人」です。 コーディングできる、設計できる、管理の仕組みを考えられる、コストカットした機材の調達の仕組みを考えられる、人員管理がうまい、プロジェクト管理できる、監査の仕組みやドキュメントを作れる、戦略を作って実行できる、という様な「自分で何かができる」人です。 反対に、「これはべて行けない」という典型例。それは、日国内の大手ベンダやユーザー企業勤務で、下請けや孫請けへの「丸投げ」しかできない「エンジニアもどき」や「SEというなんだか良くわからない仕事をやっている人」「仕事が部長や課長」という人々です。 基的には、私が以前、「ソフトウェアの仕様書は料理レシピに似て

  • 非同期APIと例外処理(node.js の domain について)

    node.js のような非同期APIを使ったプログラミングに拒絶反応を示すエンジニアが多い理由の一つが、非同期APIと例外処理の相性の悪さだ。 Javascript の場合、例外処理はこんな感じに記述する。 function f(i) { try { throw new Error('an error #'+ i); } catch(e) { console.log('Error caught:', e.message); } } ところが、これに非同期APIが絡むと、とたんに分かりにくくなる。例えば下の例。 function f(i) { try { setTimeout(function() { throw new Error('an error #'+ i); }, 1000); } catch(e) { console.log('Error caught:', e.message)

  • node.js で「サラリーマンの朝」をプログラムしてみる

    先日の「node.js と thread hog の話」には、たくさんのコメントをいただいたが、やはり「イベント駆動型」のプログラミングには抵抗がある人も多いようだ。そこで、JavaScript の無名関数を使ったイベント駆動型のプログラミングの可読性が悪くないことを示すために、「朝7時に目覚まし時計をかけて眠りにつき、朝ご飯をべ終わったら会社に行く」という典型的な「サラリーマンの朝」をイベント駆動型のJavaScriptで記述してみた。 注目して欲しいのは、素早く出来る「着替える」「顔を洗う」などの動作は割り込み不可な動作なので、通常のプログラミングと同じようにシーケンシャルに実行するが、時間のかかる「朝ご飯をべる」「駅まで歩く」などの動作は割り込み可能な状態で実行し、"complete" のイベントを受けてから次の動作に移る点だ。 ちなみに、目覚まし時計は 「スヌーズボタン」付きな

  • 日本の発展を阻む「逃げ切りメンタリティ」

    去年の福島第一での原発事故後、日という国の統治機構のさまざまな問題点が露呈されることとなった。国会事故調が指摘した様に、事故の根の原因は「電力会社と規制機関の癒着」にある。ここを徹底的に検証し、修正しない限り原発の再稼働などありえないのだが、そんな「まっとうなプロセス」をとることが出来ない点がこの国の一番の問題である。 国民の意思を反映したはずの「原発ゼロ政策」がいつのまにか骨抜きにされる、最も大切だったはずの原子力規制庁の「ノーリターン・ルール」がないがしろにされて原子力規制庁が実質的に経産省の傘下に入る、国会事故調があれほど第三者委員会と国会によるオープンな人事決定プロセスの必要性を訴えていたにも関わらず原子力規制委員会の人事が密室で決まる。これがこの国の体質だ。 結局のところ、この国の方向性を決めているのは、国民でも政治家でもなく、霞ヶ関のエリートたちと彼らと強く結びついた産業界

  • 本田圭佑と日本の将来と

    田圭佑が日刊スポーツのインタビューでとてもするどい指摘をしている。 海外に出たら、日当にいい国だとあらためて思う。モノのクオリティー、サービス業、すべてにおいてディテールにこだわっている。ここが何につけてもアバウトな外国とは違う。これはオレの価値観が日人寄りだから、という理由ではないと思う。外国人だって日のサービスを受けたら絶対にいい思いをするはず。その点で、日は世界トップだと認識している。外国に出てから、日の良さを感じるようになった。 それと同時に思うのは「これを築いたのは誰なんだ?」ということ。オレたちではない。こんな裕福な今日(こんにち)の日があるのは、先代の人たちの頑張りのおかげだと思っている。オレたちは、彼らが頑張って汗水たらして残していってくれたもののおかげで生活できていると思う。 それが今、いろんな面でまさしく危機を迎えている。オレが言うまでもなく、いろんな

  • Life is beautiful: Windows95と地上の星

    Windows95の開発の総責任者であるDavid Coleから開発の主要メンバーに緊急召集がかけられたのは、Windows95の開発も大詰めを迎えた1994年末のことである。 Shell(デスクトップ、エクスプローラ、スタートメニューなどのユーザーインターフェイス)の開発を担当していたSatoshiは、いままでの経験からこの手の緊急招集が良い知らせでないことはないことは知っていた。 David Coleが深刻な顔をして緊急招集の理由を説明し始める。Windows95そのものの開発は順調に進んでいるが、Windows3.1との互換性の維持が思うように進んでいないのである。 「このままだと、95年中にリリースすることはできない」 深刻な問題である。既に当初の予定より1年以上遅れているWindows95のリリースをさらに遅らせて95年のクリスマスシーズンを逃すことはOffice95を同時にリリ

  • 紫陽花(あじさい)革命とは: Life is beautiful

    複数の知り合いから紫陽花革命に関して質問されたので、Wikipedia 風に書いてみた。引用は自由にしていただいて結構である。 紫陽花(あじさい)革命とは 2012年に、原子力規制庁の設立、ストレステストの2次評価、を待たずに原発再稼働を進めようとする野田政権・経産省に反対して日で起こった民主化運動(*1)。一人の青年のTwitterを通した呼びかけで、数多くの人々が毎週金曜日に総理官邸前に集結して原発再稼働の反対を訴えている(現在進行形)。その背景には、ひとたび事故を起こせば簡単には収拾出来なくなる原子力発電への不安だけでなく、原子力ムラに代表される霞ヶ関と産業界との癒着体質と、そこに作られた利権構造に対する国民の不信感がある。 当初、テレビ・新聞などの大手マスコミが自主的な報道規制によりデモの存在を無視し続け、インターネット・メディアのみでこのデモの様子が報じられる、という異常な事態

  • 日本が50以上の原発と大量のプルトニウムを抱え込んでしまった本当の理由

    の原子力の歴史を網羅的に記述した文章が米国のPEC(Public Education Center)により公開された。 United States Circumvented Laws To Help Japan Accumulate Tons of Plutonium 非常に中身が濃いので簡単に要約などできないが、この文章を読むと、日の原子力発電と宇宙開発が「日はいつでも核兵器を作ることができる」という「非核・核カード」を持つために押し進められたことが良く分かる。 私の目を引いた文章は何カ所もある。たとえば、 In October 1964, communist China stunned the world by detonating its first nuclear bomb. The world was caught by surprise, but nowhere wer

  • なぜ「デジタル・デバイドが国を滅ぼしかねない」のか

    デジタル・デバイドとは、ネットやコンピューターを使いこなせない人たちが、デジタル時代のライフスタイルを満喫出来ないことを指す。少し前までは「それもある程度はしかたがない」と思っていたのだが、原発事故以来少し見方が変わって来た。 ネットに行けば、野田総理が3年前に「消費税5%分に相当する12兆5000億円が天下り法人に流れている。そのしろありたちを退治せずに消費税を上げることなんてありえない」と高らかに宣言していたことがそこら中に書いてあるし、Youtube にも証拠のビデオが上がっている。天下り組織に流れる金を止めずに消費税を引き上げることは、明らかな公約違反であり、マニフェスト破りだということは多くの人たちが指摘している。 しかし、デジタル・デバイドの壁の向こう側でテレビと新聞だけに頼って生きている人たちにはその声はなかなか届かない。 ネットに行けば、今回、原子力安全規制改革担当審議官に