筆者はドイツ人を気の毒だと思っている。といっても、それはこの危機がどのように生じたかとか、どんな対策を打つべきかといった問題について彼らの大半が考えていることに同意しているからではない。 単一通貨ユーロを作ることが何を意味するのか、ドイツのエリートたちには分かっていたから、というのが気の毒だと思う理由だ。 ドイツのエリートたちは、政治同盟抜きの通貨同盟はうまくいかないことを理解していた。ところがフランスのエリートたちは、ドイツ連銀(ブンデスバンク)が決める金融政策に依存する屈辱的な状態を終わらせたがっていた。 それから20年の歳月が流れた今、フランスをはじめとしたドイツのパートナー諸国は、手痛い教訓を学ぶこととなった。ドイツの支配を免れるどころか、さらに強く支配されるようになっているのだ。深刻な危機において君臨するのは債権国なのである。 ユーロが導入されていなかったら、どうなっていたか も
[第61回] 労働力減少が始まる中国 市場重視し生産性向上を 蔡昉 Cai Fang 中国社会科学院人口・労働経済研究所長 中国の働き手が2013年に減り始める。人件費も物価も長期的に上昇するだろう。先進国への脱皮を前に高齢化に直面する「未富先老」を乗り越え、どう成長を持続するか。社会保障の充実と労働生産性の向上がかぎになる。 ツァイ・ファン 氏 中国では30年間の「一人っ子政策」で子供の割合が減り、高齢者が増えている。中国政府が2010年に実施した人口センサス(国勢調査)によれば、65歳以上の人口は8.9%に達し、前回調査した00年より約2%幅上昇した。一方で0~14歳の子供の割合は16.6%で、6.3%幅減った。 調査を実施した国家統計局は、15~59歳の生産年齢人口は13年以降、減り始めると予測した。20年ぐらいまでは9億人規模を維持できるが、それ以降は減り方のスピードが上がるという
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