今年のGDP成長率が7%を割り込む恐れがある中国が、1兆1000億ドル規模の景気刺激策を打ち出そうとしている。鉱業や医療など7分野において、数百に上るインフラ事業を推し進めていく構えだ。 この刺激策について中国政府はまだ正式に発表していないが、ブルームバーグが複数の情報筋への取材を基に報じた。「安定した成長を目指す中国政府による施策の1つ。公表されれば市場の信頼を高めるのに役立つだろう」と、英HSBCホールディングスのエコノミスト王然(ワン・ラン)は指摘する。 習政権ではこれまで、こうした巨額の景気刺激策を講じることを極力控えてきた。財政赤字の悪化につながるからだ。中国政府の負債総額は13年時点のGDP9兆4000億ドルの2倍以上にまでに膨れ上がっている。財政出動による経済活性化から消費主導型の成長に切り替えようとしてきたが、うまくいっていない。 成長率が7%台を切ると、世界的な金融危機の