[東京 25日] - 欧州債券市場で4月半ばに0.1%を下回ったドイツ10年国債金利は同月末から大幅な上昇に転じ、一時0.8%前後まで急騰。これをきっかけに、債券市場は世界的に不安定な状況が続いている。 いわゆる「ECB(欧州中央銀行)トレード」が活発化してドイツなどの金利が極限まで低下した4月半ばまでの時期は、一種のユーフォリア(陶酔感)を伴い欧州国債市場の価格形成が歪んでいた可能性がある。ECBによる量的緩和導入で、国債需給ひっ迫が永続するという思惑が、市場心理を支配したからかもしれないが、デフレを長期間経験した日本でも10年国債金利がゼロの領域まで近づいたことはなかった。 仮に、中央銀行が国債購入を永続することで10年国債金利までほぼゼロに低下するということは、ECBによる量的緩和が、経済活動やインフレ率に影響しないということだろう。「金融緩和無効論」に立つのであれば、こうしたプライ