予想より弱めの8月雇用統計やシリア問題を受けて、米量的緩和(QE)縮小観測は冷や水を浴びせられた。しかし、米連邦準備理事会(FRB)が17―18日の連邦公開市場委員会(FOMC)でQE縮小に踏み切る可能性は引き続き高いと考えている。 金融政策の変更はあくまで当該国の問題で、海外が注文をつけることではないが、米国はドルが事実上の基軸通貨であることから様々な恩恵を受けている。その分、ドルの価値を左右する金融政策が予期せぬ影響を内外に与えることも事実だ。実際、一部の新興国では、市場がQEの規模縮小を織り込む過程で資金流出が深刻化。過去の経験から、FRBの金融引き締めで通貨危機を誘発するリスクも指摘されている。 確かに、1990年代を振り返ると、米国の金融政策が引き締められる局面で新興国の通貨危機が発生している。メキシコ通貨危機(95年1月)、アジア通貨危機(97年7月)、ロシア通貨危機(98年8
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