円・ドル相場が、急速に円安に振れている。 この1か月半あまりで7円以上急落した。引き金になったのは、白川日銀総裁からのバレンタインデーのプレゼントとも言える、2月14日の追加金融緩和だった。 内容的には、中長期的な物価安定の「目途」を1%と明記した以外、とくに大きなサプライズはなかったが、円安誘導に見事な効果を発揮した。 為替市場ではここ数年、「リスク回避による円高」という言葉が頻繁に聞かれた。「世界的に株価上昇が期待できるときには、円とドルは弱くなり、株価下落のリスクが高いときには、円とドルは強くなる傾向がある。最近までの超円高は、欧州危機をはじめとする世界経済の低迷で、株価下落リスクが高まったためだ」という説明だ。 もう少し詳しく言うと、アメリカと日本には豊富な投資資金があり、両国の投資家は、世界の株価が上昇するときには、自国通貨を外貨に替えて海外に投資し、株価が下落するときには、海外