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ブックマーク / qianchong.hatenablog.com (4)

  • 文化に興味があるわけじゃない - インタプリタかなくぎ流

    先日、フィンランド語のオンラインクラスに出ていたら、先生が「私は別にフィンランドの文化や観光に興味があってフィンランド語をやったわけではないので……」とおっしゃっていました。ではどんな動機で学ばれたのかについては聞けなかったのですが、たぶん言語としてのフィンランド語そのもの、あるいはほかの言語とフィンランド語の比較について興味がおありになったのではないかと想像し、そして共感しました。 なぜなら私自身も似たような動機で学び始めたからです。学んでいるからには現地に行って使ってみたいという欲求はあるので、その意味では文化や観光にまったく興味がないわけじゃありませんが、どちらかというと言語そのものへの興味が勝っていました。「悪魔の言語」とも称されることがあるほど複雑な文法を持つフィンランド語そのものへの興味です。 しかもフィンランド語は、その他の北欧諸語、つまりデンマーク語、スウェーデン語、ノルウ

    文化に興味があるわけじゃない - インタプリタかなくぎ流
  • 「中国人『なんか』じゃない」という反論について - インタプリタかなくぎ流

    来日中のIOC(国際オリンピック委員会)バッハ会長が「日人を中国人と言い間違えた」というニュースが、Twitter上で炎上していました。 news.yahoo.co.jp 多くの方がこのニュースを引用して憤慨されていましたが、「中国人と間違えるなんて!」という憤りの後ろに隠れた蔑視の意識に無頓着なのではないかと思えるツイートも多くて、気になりました。 随分前のことですが、ヨーロッパの街を歩いていた時に、すれ違いざまに「中国人!」との声を浴びせられたことが何度かあって、その時に「中国人『なんか』じゃない!」と反論したくなった自分の中に蔑視の意識を発見したことを思い出しました。 この件についてはTwitterで、こんな意見をいただきました。 結論、底意をもって「チーノ」と言われたら、「No.」とはっきりと相手の眼を見ていうことにしています。それは相手の差別意識に対する反射であり、中国人と一緒

    「中国人『なんか』じゃない」という反論について - インタプリタかなくぎ流
  • ひとさまの通訳を聞いて - インタプリタかなくぎ流

    これまで、自分が通訳している音声や映像がネットにアップロードされたことが何度かありました。それはラジオ番組だったり,YouTubeだったりするのですが、業務終了後も半ば永遠にこうやって訳出が晒されるのって、ちょっと理不尽でもありますよね。 それはさておき、こうした音声や映像をあとから視聴し直すのは、当に身が縮む思いです。ですから私、同じようにネットに上がっているひとさまの通訳の善し悪しを云々するのは、できるだけやるまいと思っています。通訳学校の授業でのレビューは別ですが、私はひとさまの訳出を云々できるほどのベテランでもないですし、もとより通訳や翻訳には「これが正解!」というものはなく、ただ「より良い訳」があるだけなのでしょうから。 米原万里氏の名著『不実な美女か貞淑な醜女か』に、師匠の徳永晴美氏から言われたというこんな言葉が紹介されています。 他人の通訳を聞いて、『コイツ、なんて下手なん

    ひとさまの通訳を聞いて - インタプリタかなくぎ流
  • 語学における「威張り系」や「昔取った杵柄系」について - インタプリタかなくぎ流

    昨日は都内のとある通訳学校で、一日限りの講座を担当してきました。私みたいに細々と通訳業務や通訳教育を続けているだけの人間が講師というのも申し訳ないのですが、幸いにも毎回満席で、こちらも身が引き締まる思いです。一日限りなので、ふだんこの学校に在籍されている方の他に、外部からも多くの生徒さんが参加されます。しかも今回は日語だけを使った訓練だったので、中国語だけでなく英語など他の言語で通訳や翻訳を学んでいる生徒さんも多くいらっしゃいました。 その中におひとり、年配の男性が参加されていました。この方は最初から大幅に遅刻して来られた上に、よく大声で質問なさる。もちろん質問は大歓迎なのですが、その質問がやや的外れなのと、ご自身の語学力アピールに偏っているのが少々気になりました。例えば、今回はノートテイキング(通訳のメモ取り)についての講座だったのですが、「同時通訳ではメモ取らないよな*1」とおっしゃ

    語学における「威張り系」や「昔取った杵柄系」について - インタプリタかなくぎ流
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