書評に関するokuuのブックマーク (24)

  • 【書評】原田ひ香「DRY」- 境遇の似た2人の女の悲しみ。その悲しみはあまりに深く、あまりに切ない - また、本の話をしてる

    DRY posted with ヨメレバ 原田ひ香 光文社 2019年01月23日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す ちょうど真ん中あたりか、「そのこと」が分かった時に、思わず声が出た。これって原田ひ香の小説だよねぇ…。ううううううむ、驚いた。作者初のクライムノベルということは知っていたけれど、こういう話だったとは!桐野夏生かよ。さらにタイトル。序盤、主人公の藍は元夫から「お前、乾いた女なんだよなあ」と言われる。そうか、ここから来てるのか、とその時点では思ったのだが違っていた。タイトルはまさに「そのこと」から来ていたのだ。う〜む、なんだかすごい話を読み始めちゃったなぁ。 主人公の藍は離婚したばかり。母が祖母を刺した事件をきっかけに十数年ぶりに実家に戻ってくる。2人は元々仲が悪く、母は男に走り、祖母はお金に汚い。藍も2人にはずっと冷たくされながら育って来た。彼女らに

    【書評】原田ひ香「DRY」- 境遇の似た2人の女の悲しみ。その悲しみはあまりに深く、あまりに切ない - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2019/02/28
    原田ひ香「DRY」
  • 【書評】原田マハ「たゆたえども沈まず」-この物語の真ん中には常にゴッホがいる - また、本の話をしてる

    たゆたえども沈まず posted with ヨメレバ 原田 マハ 幻冬舎 2017-10-25 Amazon Kindle 楽天ブックス 「たゆたえども沈まず」という小説はけっしてフィンセント・ファン・ゴッホの物語ではない。日美術を世界に知らしめようとパリで孤軍奮闘する日人、林忠正の物語であり、林に誘われ彼の片腕となる加納重吉と一流画廊で支配人を務めるゴッホの弟テオの友情物語、そして、兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオと弟にすべてを頼り絵を描くことだけにのめり込んでいくゴッホとの兄弟物語、この3つが複合的に絡み合ったアート小説なのだ。 それでも、この物語の真ん中には常にゴッホがいる。浮世絵、印象派、その次に続く人々、絵画を通してそれぞれの思いが交錯し物語は進んで行くのだが、林や加納のことが語られている時でも、ゴッホの存在が強く強く感じられる。それがこの小説の大きな魅力だ。 評伝などは

    【書評】原田マハ「たゆたえども沈まず」-この物語の真ん中には常にゴッホがいる - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2018/02/21
    本屋大賞ノミネート作品
  • 【書評】松家仁之「光の犬」-一族三代の「営み」を見つめ、「生」を語り「死」も語る傑作小説! - また、本の話をしてる

    光の犬 posted with ヨメレバ 松家 仁之 新潮社 2017-10-31 Amazon 楽天ブックス 物語は「添島始は消失点を背負っていた」という印象的な一行から始まる。これは北海道東部の架空の町・枝留(えだる)で暮らす添島家の一族三代の物語だ。一番若い世代が始と姉の歩。彼らの父母、眞二郎と登代子。眞二郎の姉の一枝、妹の恵美子と智世。さらに始たちの祖父母である眞蔵とよねが主な登場人物。 とはいってもこの物語、時系列順に語られたりはしない。巧みな構成で時代を変え、主人公を変えながら進んでいく。話によって、それは青春小説であり恋愛小説であり職業小説であり介護小説、老人小説、闘病小説でもある。それぞれが深く凝縮して語られるのでそれを単なる「エピソード」と呼ぶことはできない。 この小説を読んで一番感じるのは「営み」という言葉だ。家族ではあるのだけど常に向きあっているわけではない人と人。そ

    【書評】松家仁之「光の犬」-一族三代の「営み」を見つめ、「生」を語り「死」も語る傑作小説! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2018/01/31
    松家仁之はその小説どれもが印象に残る
  • 【書評】ビートたけし「アナログ」-あの「懐かしい愛」をもう一度! - また、本の話をしてる

    アナログ posted with ヨメレバ ビートたけし 新潮社 2017-09-22 Amazon Kindle 楽天ブックス この物語は驚くほど昭和だ。主人公の悟は工業デザインの会社で働いている現代の青年。だから、決して古い人間ではないのだけど、生き方も暮らしぶりもデジタルではない。仕事もコンピュータのシミュレーションではなく、模型を造ってクライアントに見せようとする。家に帰れば父親の仏壇に線香をあげ、友人たちとは焼鳥屋で飲むことを好む。 悟には埼玉・東松山の特養に入っている母親がいる。都心から2時間かかるその施設に通うことを彼は少しもいとわない。恋愛小説という謳い文句だけれども、これは母親小説でもある。というよりも、「アナログ」という物語はそう思った方がすんなりと読むことができるのだ。悟の母への思いもまたアナログ的だ。彼は母のことでよく泣く。こんなに泣くかと思うほどよく泣く。過剰とい

    【書評】ビートたけし「アナログ」-あの「懐かしい愛」をもう一度! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/12/19
    若者たちがどう読むのか、とても気になる!
  • 【書評】川上弘美「森へ行きましょう」-人間が愛おしく、人生がさらに興味深くなる。今年のマイベストに入る傑作! - また、本の話をしてる

    森へ行きましょう posted with ヨメレバ 川上 弘美 日経済新聞出版社 2017-10-11 Amazon 楽天ブックス これはもう圧倒的なおもしろさ!今年のマイベスト上位に必ず入る傑作だ。1966年に生まれた留津とルツの物語が交互に語られる。2人は両親の名も同じ、後から絡んで来る人々の名前も同じ。まぁ、こういうのをパラレルワールドっていうのかもしれないけれど、そんなことはどうでもいい。川上弘美はこの2人の女性の人生を2017年50歳になるまで、深く軽快に描いていく。 もちろんこの2人、いろいろなことが違う。元々の性格もそうだし、環境も違う。留津は早くに結婚するが、ルツはなかなか結婚しない。進学、就職、恋愛、交友関係、いろいろな場面でそれぞれが迷い、考え、決断し、自らの人生を選び取っていく。いやいや、こういう風にまとめちゃうのは一番つまらない。選び取る、なんてこと、当にやって

    【書評】川上弘美「森へ行きましょう」-人間が愛おしく、人生がさらに興味深くなる。今年のマイベストに入る傑作! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/12/15
    ううむ、これはいいぞ!!
  • 【書評】浅生鴨「猫たちの色メガネ」-27の奇妙な味のショートストーリー、さてどれが好き?? - また、本の話をしてる

    たちの色メガネ posted with ヨメレバ 浅生 鴨 KADOKAWA 2017-09-29 Amazon Kindle 楽天ブックス 作者はNHKのツイッターアカウント@NHK_PRの中の人1号として有名になった浅生鴨さん。今は主に執筆活動に注力している、と紹介にある。「たちの色メガネ」はデビュー長編「アグニオン」に続く2冊目の小説で、27のショートストーリーを集めたもの。ショートショート的なちょっと奇妙な物語が集まっていておもしろいのだけれど、人によって好みが分かれそうだ。 僕はこういう短編の場合、設定だけで笑わせたりするものより、風刺的であったり、諧謔的であったりする方が好きだ。「たちの色メガネ」は、どちらかというと前者の方が多いので、そういう意味では少々物足りない。設定で読ませる話って、作者のドヤ顔が見えていやなのだ。 いや、それだったら風刺的な方こそそうなのでは、と思

    【書評】浅生鴨「猫たちの色メガネ」-27の奇妙な味のショートストーリー、さてどれが好き?? - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/11/16
    浅生鴨、気になる!!
  • 【書評】宮部みゆき「この世の春」-凍え死にそうな冬の季節を生き延びたひとつの魂の物語 - また、本の話をしてる

    Amazonで探す 楽天ブックスで探す 最初から緊張感のある場面が続き、読み進めていくうちに状況がわかってくる。そして、この物語の核となる部分が明らかになる。いやぁ、驚いた。江戸時代を舞台にこういうテーマで小説を書くのか?これを思いついた時、さすがに宮部さんも「おぉぉ」と思ったことだろう。しかし、アイデアを思いつくだけなら誰でもできる。大切なのはこのテーマをどのような物語に仕上げるか。そこで宮部みゆきが考えたのは。 宝永七年(1710年)下野北見藩で起こった政変から物語は始まる。若き藩主であった六代目の北見重興が心の病のためにその座を奪われる。それも「押込(おしこめ)」という形で。押込とは家を守るために問題のある主君を強制的に監禁することだ。いったい重興に何が起こったのか?心の病とは何だ? そんな騒動に主人公の多紀も巻き込まれていく。彼女は訳あって前藩主が幽閉された「五香苑」で重興に仕える

    【書評】宮部みゆき「この世の春」-凍え死にそうな冬の季節を生き延びたひとつの魂の物語 - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/11/07
    読み応えある上下2巻!
  • 【絵本】くどうなおこ×松本大洋『「いる」じゃん』-言葉と絵、母と子のコラボ、生きる元気が湧いてくる! - また、本の話をしてる

    「いる」じゃん posted with ヨメレバ くどう なおこ,松 大洋 スイッチパブリッシング 2017-07-07 Amazon 楽天ブックス くどうなおこは詩人だ。81歳になる。そうか、童話作家でもあるのだな。そちらのことはあまり知らない。松大洋は漫画家でイラストレーターだ。知ってる人も多いだろう。で、この2人、親子である。裏の方の帯にくどうさんの言葉が書かれている。 「うれしいなあ。松大洋との合作って」 そうだよなぁ、しかも、こんなに素敵な一冊!帯、表は谷川俊太郎さんと糸井重里さんの言葉 スイートな言葉にホットな絵、こんな絵初めて!ー谷川俊太郎 赤んぼうでも、おとなでも好きになる。 ささやくことばと、なでるような絵。ー糸井重里 よさそう。でも、う〜ん、このタイトルには抵抗があった。じゃん、は好きじゃない。それを詩人のくどうさんが…。しかし、しかし、この言葉、絵の最後の一

    【絵本】くどうなおこ×松本大洋『「いる」じゃん』-言葉と絵、母と子のコラボ、生きる元気が湧いてくる! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/11/01
    すごいなぁ、この母子!
  • 【絵本】ミロコマチコ「ねこまみれ帳」-あ〜この猫まみれ感がたまらない!猫好きもそうでない人もぜひっ!!! - また、本の話をしてる

    ねこまみれ帳 posted with ヨメレバ ミロコマチコ ブロンズ新社 2016-12-03 Amazon 楽天ブックス まみれてる!まみれてる!しっかりにまみれてる!これは、小さな頃からいつもがそばにいた絵作家ミロコマチコが、たちとの様々なエピソードをイラストと文章で描き綴ったねこまみれエッセイ集だ。 最初の方は、彼女が初めて飼った白くてふわふわの大きなオス、鉄三(てつぞう)とのエピソードがまとめられている。これはカレンダーにもなっていて、それがきっかけで「てつぞうはね」という彼女の絵は生まれたらしい。鉄三は、病院で手術を受けた時には手足をガムテープでぐるぐる巻きにされたほどのあばれ。いつも白い毛に絵具の色がついていてミロコさんの「作品の一部」になっていたらしい。 そんな鉄三が亡くなって、その後、少し経ってからやってきたのが外房線の近くて拾われた兄弟のソトとボウ。3分

    【絵本】ミロコマチコ「ねこまみれ帳」-あ〜この猫まみれ感がたまらない!猫好きもそうでない人もぜひっ!!! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/10/26
    猫とミロコマチコ、いいなぁ。
  • 【書評】山下澄人「ほしのこ」-そうかそうか、山下澄人ってこういう表現をする人だったんだ! - また、本の話をしてる

    ほしのこ posted with ヨメレバ 山下 澄人 文藝春秋 2017-08-24 Amazon Kindle 楽天ブックス 「しんせかい」で芥川賞を受賞した山下澄人の最新小説。「しんせかい」は内容だけではなく、文章や表現方法もおもしろく強く心を惹かれた。他の作品は未読なのだが、著者は様々な表現を試みていると聞いた。さて、この作品は? 「ほしのこ」は童話のような物語。北国の海沿いの小屋に住む父と娘。天(てん)という名前の娘は父から「お前はこの星のものじゃない」と告げられる。父に連れられて遠くの星から来たのだと。そんな父との突然の別れ、そして、彼女の分身のようなルルという少女の出現、近くに住む昆布ばばあとの交流、自然の只中で天たちの暮らしは続く。 飛行機乗りが現れる後半あたりから、視点や語り手がどんどんと変わり、時間の流れも前後し、誰が誰だかさえ分からなくなってくる。その混沌が気持ちいい

    【書評】山下澄人「ほしのこ」-そうかそうか、山下澄人ってこういう表現をする人だったんだ! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/10/18
    芥川賞受賞作家の新作、おもしろい!
  • 【絵本/感想】ミロコマチコ「まっくらやみのまっくろ」-タイトルだけでもうミロコマチコ・ワールド!傑作の予感!! - また、本の話をしてる

    まっくらやみのまっくろ posted with ヨメレバ ミロコ マチコ 小学館 2017-08-17 Amazon 楽天ブックス あぁ、もうこのタイトルがミロコマチコ・ワールドだよなぁ、と思うし、傑作の予感がしてしまう。彼女の絵はいつもタイトルが素敵だ。 最初の見開きは、ほぼまっくろ。そこにこんな言葉が添えられている。 まっくろは なによりも まっくろで いったい じぶんが なんだか わからなかった まっくろの中に「なにか」がある。次の見開きも、ほぼまっくろ、 あたりも まっくらで せかいと じぶんの みわけが つかない でも からだの まんなかが あつくて ふつふつ ちからが みなぎってくる まっくらのまっくろの中に、怪しい目のようなものがある。そして、まっくろはまっくろのまま「きゅわーん」と変わり始める。初めて色が生まれ、どこかを突き抜け、どこかに突進する。まっくろって、いったい何

    【絵本/感想】ミロコマチコ「まっくらやみのまっくろ」-タイトルだけでもうミロコマチコ・ワールド!傑作の予感!! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/10/13
    ミロコマチコはいいなぁ。
  • 【絵本/感想】荒井真紀「たんぽぽ」-う〜ん、植物の世界は不思議に満ちているなぁ - また、本の話をしてる

    たんぽぽ posted with ヨメレバ 荒井真紀 金の星社 2015-03-13 Amazon 楽天ブックス スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年毎に開かれるブラティスラヴァ世界絵原画展で今年、金のリンゴ賞を受賞した絵。気になったのですぐに読んでみました。この賞は絵ではなく原画に贈られる賞なのだけど、絵はもちろんのこと内容も素晴らしくてちょっと興奮!荒井真紀さん、すごいなぁ。 荒井さんはボタニカルアート展で何度も入賞してるだけあって、描写がこまやかで美しい。表紙を見るだけで分かりますよね。最初の見開きは冬のたんぽぽ、地面にぴたっと張り付いて広がっている葉っぱと地中に深く張っている根。次の見開きは、春がやってきて葉の付け根にできたつぼみが丸くふくらんでいく様子。この2つの見開きだけで圧倒されてしまう。 知らないことも多かった。たんぽぽの花がたくさんの小さな花でできているこ

    【絵本/感想】荒井真紀「たんぽぽ」-う〜ん、植物の世界は不思議に満ちているなぁ - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/09/23
    ブラティスラヴァ世界絵本原画展で今年、金のリンゴ賞を受賞しました!
  • 【書評】佐藤正午「夏の情婦」-今の佐藤正午の作品は間違いなくこの小説集の延長上にある - また、本の話をしてる

    夏の情婦 (小学館文庫) posted with ヨメレバ 佐藤 正午 小学館 2017-08-08 Amazon Kindle 楽天ブックス 直木賞を受賞した佐藤正午の1988年の恋愛小説集。デビュー作「永遠の1/2」から4年経っているので「若書き」とは言えないけれど、少しだけそう感じる部分もある。しかし、5つの物語どれもがすこぶるおもしろい。佐藤正午の小説はある種のクールさと情緒性が同居していてそこが魅力なのだが、この5編にも同じようなことを感じることができた。 個人的に一番好きなのは「片恋」という物語。九州の地方都市に暮らす小説家が主人公だ。彼が昔のクラスメイトの女性と再会したことが発端になる。想い出のように語られる13年前の高校時代のある出来事。主人公の彼が思いを寄せるTという同級生、友人Kのおせっかいから2人は会うことになるのだが…。現代と過去を行き来しながら語られる若き日の恋と

    【書評】佐藤正午「夏の情婦」-今の佐藤正午の作品は間違いなくこの小説集の延長上にある - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/09/21
    佐藤正午の文庫新刊を読んでみた
  • 【絵本/感想】ヨシタケシンスケ「あるかしら書店」-こんなおもしろい本あるかしら! - また、本の話をしてる

    あるかしら書店 posted with ヨメレバ ヨシタケ シンスケ ポプラ社 2017年06月06日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す おもしろいなぁ、いやいやいやいや、当におもしろいぞヨシタケシンスケ。町のはずれにある「あるかしら書店」、そこは「にまつわる」を集めた専門書店。老若男女いろんな人がこんな「あるかしら?」とやって来ます。それに答えるのは丸顔ハゲ頭の店主。どんなおたずねにも「ああ!ありますよ!」と笑顔で答えてくれます。 「ちょっとめずらしい」を探してる女性には「作家の木の育て方」「世界のしかけ絵」「2人で読む」そして「月光」を紹介しました。さて「2人で読む」とは?上巻下巻に分かれていて、それぞれ上半分、下半分しか書かれていないので、2冊並べて同時にページをめくらないと読むことができないなのです。恋人同士が寄り添って読む「恋する2人

    【絵本/感想】ヨシタケシンスケ「あるかしら書店」-こんなおもしろい本あるかしら! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/09/05
    ヨシタケシンスケ本は見逃せないッッッ!
  • 【書評】燃え殻「ボクたちはみんな大人になれなかった」-これは今年のマイベストになるかもしれない - また、本の話をしてる

    ボクたちはみんな大人になれなかった posted with ヨメレバ 燃え殻 新潮社 2017年06月30日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す ううむ、不思議だなぁ。特にスタイルが新しいわけでもなく、内容が奇抜なわけでもない。それなのに強烈に心惹かれるのだ。これはもしかしたら今年のマイベストになるかもしれない。 アートディレクターとして業界の中で何とか生き続けている43歳の主人公は、フェイスブックの「知り合いかも?」に、かつて「自分よりも好きになってしまった」昔の彼女の名前を発見し、満員電車を降りる時、人混みの中で「友達申請」の送信ボタンを押してしまう。ここから彼と彼女、2人の恋の回想が始まる。 1995年夏、求人誌「デイリーan」の文通コーナーで知り合った小沢健二ファンの彼女、エクレア工場の休日にラフォーレ原宿で待ち合わせた初めてのデート、六木の会社でのテレビ

    【書評】燃え殻「ボクたちはみんな大人になれなかった」-これは今年のマイベストになるかもしれない - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/08/31
    若者たちにも人気のようだが、今の若い人の心をこの小説が掴んだのだとしたら、それはそういうもろもろがきっと「永遠」だからじゃないのだろうか。
  • 【書評】村田沙耶香「殺人出産」-クレイジー紗耶香、全開! - また、本の話をしてる

    殺人出産 posted with ヨメレバ 村田 沙耶香 講談社 2016年08月11日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す そうか、そうか、これがクレイジー紗耶香か。村田の作品は「しろいろの街の、その骨の体温を」「消滅世界」、そして「コンビニ人間」を読んでいる。作家仲間からクレイジーと呼ばれているのは知っていたが、この3作は、少しその気配はあるものの、クレイジーというほどではない。でも、これはねぇ。中編の表題作と短編の「トリプル」「清潔な結婚」、超短編「余命」の4作が収められているが、どれもがクレイジー! この4編に共通しているのは、今の時代のいわゆる「既成の概念」が古くなってしまった未来社会の話だということ。しかも、そのぶっ壊し方がすごい。「殺人出産」は少子化が進んだ1世紀後の日が舞台で、そこには10人産んだら1人殺していいという「殺人出産システム」がある。こ

    【書評】村田沙耶香「殺人出産」-クレイジー紗耶香、全開! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2017/08/18
    クレイジーな紗耶香、もっと読みたいぞ。
  • 【書評】朝井リョウ「何様」-「何者」を見事に裏返す表題作とその先にあるささやかな希望! - また、本の話をしてる

    何様 posted with ヨメレバ 朝井 リョウ 新潮社 2016年08月31日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 就活生を描いて直木賞を受賞した「何者」、そのアナザーストーリーだ。といっても、この小説集、すごく凝っている。全体は6つの短編からなっているのだが「何者」とのつながり方がそれぞれ違う。高校時代に戻ったり、ちょっと前に戻ったり、「何者」の登場人物がワキ役として登場する未来のストーリーもある。とても手の込んだ構成で朝井リョウの作家としての力量を強く感じる。しかも、これらの物語を通して「何者」の登場人物一人ひとりの人物像がさらに明確になっている。 そして何よりも圧巻なのが最後の一編、表題作の「何様」だ。ここには「何者」の主要人物は登場しない。主人公は新人ながらIT企業の人事部に配属されてしまった克弘。面接の準備などアシスタント的な立場だったが、上司から急

    【書評】朝井リョウ「何様」-「何者」を見事に裏返す表題作とその先にあるささやかな希望! - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2016/12/15
    「何者」のアナザーストーリー、さすが朝井リョウだなぁ。
  • 【コミック/感想】ほしよりこ「逢沢りく」-ここには確かに「生身の人間」が存在する - また、本の話をしてる

    逢沢りく 上 posted with ヨメレバ ほし よりこ 文藝春秋 2016年09月02日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 逢沢りく 下 posted with ヨメレバ ほし よりこ 文藝春秋 2016年09月02日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す いやいやいや、いやいやいやいやいや、ほしよりこはすごいや。「きょうの村さん」はもちろん知っていたし、独特のあのスタイルも分かっていたのだけど「通し」で読んだことはなかった。「逢坂りく」を読んでみると改めてオリジナルだなぁ、と感嘆した。絵はある意味、ラフ原稿みたいなのだけど、彼女は描きたいのではなくて伝えたい人なのだろう。先へ先へと思いがあふれているのだろう。 で、「逢沢りく」。リッチなお家に住む彼女、浮気してるパパとちょっと複雑なママ。りくは簡単にウソ泣きができるけれど、悲しみを実

    【コミック/感想】ほしよりこ「逢沢りく」-ここには確かに「生身の人間」が存在する - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2016/09/23
    ほしよりこは今後も注目したい。
  • 【書評】絲山秋子「薄情」ー「地元」と「よそ者」、地方都市に生きる若者の今がここにある 【書評】絲山秋子「薄情」 - また、本の話をしてる

    薄情 posted with ヨメレバ 絲山秋子 新潮社 2015年12月18日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 今年の谷崎賞受賞作品。絲山さんの小説は好きでよく読んでいるが、これは最近の作品では一番おもしろかった。というか、とてつもなくおもしろくて、今年のマイベストの上位に入ってくるのは間違いないと思う。 主人公の宇田川は東京の大学を出て今は高崎の実家で暮らしている。伯父の神社を継ぐことが決まっていて、多忙な半年は神社を手伝い、ヒマな半年は嬬恋のキャベツ畑でアルバイトをしている。この宙ぶらりんで不安定な暮らしを続けることに彼自身が倦んでいる。 物語は平成26年のあの豪雪から始まる。この「閉ざされた感」と「一大イベント感」が物語の始まりとしてすごく効いている。そんな中で宇田川は高校の後輩である蜂須賀と再会する。2人は一度「地元」を出て戻ってきた、という共通点があ

    【書評】絲山秋子「薄情」ー「地元」と「よそ者」、地方都市に生きる若者の今がここにある 【書評】絲山秋子「薄情」 - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2016/09/15
    絲山秋子はやっぱりおもしろい。
  • 【絵本/感想】町田尚子「ネコヅメのよる」-なるほど、猫たちにはいろいろ秘密があるのだな - また、本の話をしてる

    ネコヅメのよる posted with ヨメレバ 町田尚子 WAVE出版 2016年05月15日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 朝日新聞に小さなスペースながら広告が載っていて、この絵の表紙を見た途端、うぉぉぉ、と思った。僕は犬を飼ってて犬好きだけど、もかなり好き!いつかも飼ってみたいと思う。 それにしても町田尚子の絵は素晴らしい。まずはこの表紙!たまらんっ!目つきがなんともヤバイなぁ。もちろん、この絵だけじゃなくて、見開きで描かれた各ページの絵も素晴らしくて見ていてアキない。終盤、たちが三々五々集まってきて大集合の絵があるのだけど、個性豊かなたちを一匹一匹丁寧に描いていてうれしくなってしまう。う〜ん、これ、原画がぜひぜひ見たいぞ。 さてさて、ネコヅメのよる、とはなんぞや?という疑問がみなさんあるでしょうね。でも、それは読んでるうちに分かります。「もし

    【絵本/感想】町田尚子「ネコヅメのよる」-なるほど、猫たちにはいろいろ秘密があるのだな - また、本の話をしてる
    okuu
    okuu 2016/09/01
    なるほど、猫たちにはいろいろ秘密があるのだな。表紙、いいなぁ。