ヘッジファンドはクオンツ投資でリターンを高めるため、ビッグデータを扱う科学者やプログラマーを採用している。しかし、昔ながらの運用者とデータに基づいて取引するクオンツ運用者の融合は容易ではないことを感じつつある。 自分の直感を信じて投資してきた運用者らは、データが発するシグナルやそれを信じる科学者たちに従うことには抵抗がある。一方、ルネッサンス・テクノロジーズなどのコンピュータープログラムによる取引の成功を見て自信を深めるクオンツ運用者らは二流のレッテルに反発し投資における決定権の拡大を狙う。 こうした対立の例はあちこちに見られる。たとえば、ポイント72アセット・マネジメントのビッグデータ部門アペリオでは、元情報システム学教授のマイケル・レシー氏の目指すものが、迅速に結果を出すことを求めるポイント72の社風に合わなかったと、事情を知る関係者が述べた。レシー氏は1年3カ月ほどで同社を去ったとい