[Noah Smith, “Acemoglu and the macroeconomics of AI,” Noahpinion, July 1, 2024] ダロン・アセモグルといえば,いままさに最盛期にある経済学者で,おそらくもっとも名声が高くて業績がすぐれている人だ.そのアセモグルは,AI がお好きじゃない.彼はまるまる一冊を費やして,AI みたいなテクノロジーの発展が大量失業や格差拡大をいかにしてもたらすかを論じ,それを防ぐために規制が必要だと主張している.ぼくは,この本をちっともよく思わなかった(日本語記事). ただ,興味を引く点はあって,それは,AI による経済成長の加速はゼロではないまでもほんのわずかでしかない一方で人間の労働者たちは困窮させられるとアセモグルが考えている点だ.たいてい,こういう主張は「成長 vs. 格差」の構図で論じられる.でも,アセモグルの考えでは,AI
![ノア・スミス「アセモグルとAIのマクロ経済学: 都合のいい仮定を選んで得られた結論の意義ってなんだろう」(2024年7月1日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/636ca967784b9dd26e5b8e13e824153286a50ac7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi0.wp.com%2Fecon101.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F07%2F811yYvOz1jL._SL1500_.jpg%3Ffit%3D829%252C1200%26ssl%3D1)