クリーンルームに求められる清浄度の水準は半導体、医薬品、食品など製造するものの種類によりさまざまだ。カメラの場合、半導体である画像センサー(CCD、CMOS)の製造工程を除き、それほど厳しいクリーン度を要求されているわけではない。 が、“ホコリが舞うクリーンルーム”というのはそもそも、ありえない。「クリーンルームに要求される水準は0・5ミクロンという超微細なチリが大気中にどれだけあるかで測られる。簡易的なものでは『可視塵埃なし』という設備もあるが、それはクリーンルームと言わない。ましてやホコリが舞っているのが見えるというのは、話にならない」とあるクリーンルーム設計者は語る。 なぜ、こんな非常識が放置されているのか。それはクリーンルームの内部が、キヤノンにとって“治外法権”になっているためだ。 請負契約は業務委託元の会社(キヤノン)が現場の請負会社に所属している作業者に直接指示、命令を行えな