排卵誘発剤を用いた一般的な不妊治療での双子や三つ子の多胎妊娠が、2011年1年間に少なくとも約1000件あり、うち約4割が、飲み薬の排卵誘発剤によるものだったことが、日本産科婦人科学会(日産婦)による初の実態調査でわかった。 飲み薬は、注射薬よりも多胎妊娠の可能性が低いが、簡単で多くの患者に使われていることが件数の多い理由とみられる。 調査は、昨年1月、全国産婦人科(5783施設)にアンケートし、3571施設が回答(回答率62%)した。排卵誘発剤を用いた不妊治療での多胎妊娠は、計1046件あった。注射薬が629件で、飲み薬が417件だった。 多胎妊娠は、出産の危険が高まる。日産婦は、高度な不妊治療である体外受精では、子宮に戻す受精卵の数を1~2個に制限している。一方、排卵誘発剤を使った不妊治療には規制はない。飲み薬は一般の産科でも広く処方されている。