テーマに「性」がどっかりと座る それぞれの思惑と動機で女装をはじめた3人の男子中学生がオフ会を開くところから物語が始まる。 ふみふみこのマンガは、何と言っても絵柄に特徴がある。絵本めいていて、絵柄だけ単体でそこにおかれたら、現実の生々しさはすっかり捨象されることになる。山本ルンルンとか初期のきづきあきらなんかもそうだった。 ところがである。 扱っているテーマは、正面から性、セクシュアリティなのだ。 そして、このマンガは、性をナイーブに謳歌するたぐいのものではなく、自分に与えられた性に深く苦悶する中身になっている。実は、ふみふみこの商業誌上のマンガはどれもその種のことがテーマになっている。 「日本的空間でリアリティを支えるものはセクシュアリティである」という斎藤環の言葉があるように、性にかかわる悶え苦しむ様は、ぼくには深く食い込んでしまう。とてもリアルに感じられるのだ。いや、別に、ぼくがトラ