和歌山県警科学捜査研究所(和歌山市)の主任研究員の男性(49)が、事件の証拠となる鑑定書を作成する際、化学物質の分析データなどを捏造(ねつぞう)していた疑いがあることが、県警への取材で分かった。内部調査で明らかになったといい、県警は証拠隠滅容疑などでの立件も視野に、研究員から事情を聴いている。 捜査関係者によると、研究員は科捜研に4人いる化学専門の技術職員の1人で、10年以上の鑑定経験がある。麻薬事件などで押収した薬物などや、ひき逃げ事故の車の塗装片などの鑑定や分析を担当している。 県警によると、研究員がこれまでに作成した鑑定書類を調べたところ、複数回にわたって、過去に同じような物質を鑑定した際のデータを繰り返し流用するなどして鑑定書を作成していた疑いがあるという。 県警は、研究員が作成した鑑定書に虚偽のデータが含まれていないかや、刑事裁判の証拠として採用されたケースがないかを調べて