1815年、ナポレオンがエルバ島を脱出してからパリへ到着するまでの時期に関する、あるコピペがネット上に出回っている。 ――以下コピペ―― ナポレオンは1815年、流刑先のエルバ島を脱出しマルセイユ付近で上陸、パリに向かって再び天下をとった。 その期間のナポレオンの動向を伝える官製新聞「ル・モニトゥール」の見出し。 「凶悪な食人鬼、巣窟より脱出」 「コルシカの鬼、ジュアン湾に上陸」 「怪物、ジァップに到着」 「虎、グルノーブルで一泊」 「簒奪者、リヨンを通過」 「暴君、首都に60里に迫る」 「皇帝、フォンテーヌブローに」 「皇帝陛下、昨日チュイルリ宮にご帰還。臣民、歓呼で迎える」 ――以上コピペ―― この話は昔から有名で、例えばタクテクスに連載されていた森谷利雄氏の「大陸軍 その光と影」でも紹介されていた。では、その淵源はどこまで遡れるのか、そして、この話は本当に史実なのか。 結論から言うな