一つ目は、料理人不足です。今、料理学校で日本料理を専攻する学生は1割程度しかいません。日本料理よりもイメージのいいフレンチやイタリアン、パティシエに人気が集中しているんです。現実問題、日本料理を修業して故郷に帰っても、地方は景気がよくないですから、客単価が5000円を超えるような店には、なかなかお客さんが来てくれません。このままだと、次代を担う料理人が出てこなくなります。 フレンチやイタリアンの世界では、近年、若手シェフの新店が続々出てきているのに、意外ですね。 奥田:そうなんです。 二つ目は、食べる人も減ってきていること。今は畳の要らない時代です。洋風のダイニングッキッチンで、朝はパンとコーヒーで、夜も中華や洋食を食べる家庭が多い。料理するにも、和食は手間がかかります。ふろふき大根一つ作るのだって、大根の皮を剥いて面取りして30分下茹でして……と。それなら簡単に作れるラーメンやパスタのほ
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